大人なのに永久歯が生えない!原因と注意点は?

2018.07.14 healthSUE

永久歯が生えない原因とは?

レントゲン

乳歯は下から生えてきた永久歯に押し出される形で抜けていきます。しかし、もともと永久歯がない場合はそのまま乳歯が残った状態になります。このように、もともと永久歯がない状態のことを「先天性欠如」と言います。

これは決して珍しい症例ではなく、10人に1人の割合で先天性欠如があると言われています。ただ、はっきりとした原因は未だ解明されていません。遺伝が原因という説もあれば、妊娠時の栄養不足が原因という説もあります。

先天性欠如の特徴の1つは、自覚症状がないことです。痛みや違和感があるわけではないため、先天性欠如があることを知らないまま大人になる人も少なくありません。先天性欠如はパッと見てもわかりにくいことが多いため、正確に判別するには歯科医院でのレントゲン撮影が必要になります。

大人乳歯があるときの注意点

検診

「永久歯がなくても、乳歯が残っているなら問題ない」と考える人もいるようですが、これは大きな間違いです。その理由の1つとして「乳歯は歯の根が短い」ということが挙げられます。歯の根が短いと歯が歯ぐきから抜けやすいため、当然ながら将来的に歯を失うリスクが高くなります。

また、乳歯は歯の表面を覆っている「エナメル質」が弱いという特徴があります。エナメル質には虫歯を予防する役割があるため、これが弱いと虫歯になりやすくなるのです。そして、虫歯が進行すれば抜歯せざるを得なくなってしまいます。

このように乳歯は永久歯と比べるとずっと弱く脆いものであるため、健康な乳歯を維持するためには継続したケアが必要になります。とはいっても、こうした乳歯は実際には20歳前後で抜けてしまうことも少なくないようです。そのため、多くの場合は治療が必要になります。

大人乳歯が抜けたときの治療法

大人乳歯が抜けたときの治療法としては、保険適用になり得るものでは「部分入れ歯」と「ブリッジ」、自由診療になるものでは「歯列矯正」と「インプラント」が考えられます。

治療法1:ブリッジ

欠如している歯の両隣にある永久歯を土台として、人工の歯を被せます。短期間で治療を終えられますが、土台となっている歯に負担がかかってしまうというデメリットがあります。

治療法2:部分入れ歯

部分入れ歯は、ブリッジよりも短期間で治療を完了できます。治療期間は2~4週間ほど。ブリッジと比べると噛む力が弱くなってしまうのが難点で顎の骨が痩せてしまうこともあります。

治療法3:歯列矯正

歯列矯正は他の治療法と比べて時間がかかりますが、周囲の歯に負担をかけることなく治療できます。子どもの場合、大人と比べて歯が動きやすいことから、残っている乳歯を抜歯して歯列矯正を始めることもあります。なお、歯列矯正でも先天性欠如が6本以上ある場合は保険適用になります。

治療法4:インプラント

手術で人工歯根を埋め込み、そこに人工歯を取りつけます。自然歯に近い機能と見た目を取り戻せる点がメリットです。ただし治療には高い費用がかかり、体の状態によっては治療できないこともあります。

先天性欠如に気づいたら早めに歯科医院へ

歯科治療用具

乳歯にも永久歯にも虫歯になるリスクはあります。しかし、乳歯は特に虫歯になりやすいので注意が必要です。乳歯が残っている人は、日頃のオーラルケアをより丁寧に行うよう心がけましょう。また、先天性欠如の治療を行うには適切な時期があります。特に歯列矯正は、できるだけ若いうちに治療を開始するのが得策です。「先天性欠如かもしれない」と思ったら、早めに歯科医院を受診しましょう。

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