名古屋市緑区のたけうち歯科クリニック・ホワイトエッセンス大清水院の竹内です。

昔は丈夫な歯が生えてくるおまじないとして「下の歯が抜けたら屋根の上に」「上の歯が抜けたら床下に」投げた、という方もいたようです。
確かに最近では抜けた乳歯は大切に保存しておくという方が増えています。「記念のため」「将来の健康維持のため」など、その理由は様々なようです。

専門家としてはどちらでも構いませんが、保存しておく時の注意点についてお話します。
抜けた乳歯は、汚れが付着したまま放置すると、割れたり変色したり、カビが生えることもあったりします。抜けた乳歯は血やタンパク質などで汚れているので、洗浄が必要です。
洗浄には一般でも販売されている消毒薬の「オキシドール」を使用していただくとよいでしょう。オキシドールは血液などと反応し、酸素と水に分解します。この時に発生する酸素の働きで殺菌されることになります。

実際には、ペットボトルのふたなどに抜けた乳歯を入れ、乳歯が隠れる程度のオキシドールを入れて、一晩放置します。ここで出てくる泡が酸素で、この泡が殺菌と洗浄をしてくれています。一晩たったら水洗いし、乾燥させます。歯の付け根の部分を重点的に洗って下さい。根元の汚れは爪楊枝を使って掻き出すとキレイになります。
保存はいろいろな乳歯ケースという、抜けた乳歯をきれいに保存できる箱などが販売されています。へその緒を保存しておくようなものですね。

たけうち歯科クリニック／竹内　 伸一

2021.07.05