お悩み相談

茶封筒/2022.01.25

お悩み歯周病

歯周病を放置する怖さを教えていただきたいです!

高齢の父が歯周病の疑いがあるにも関わらず歯科医院へ行こうとしないので、歯周病を放置する怖さを教えていただきたいです!
歯周病は様々な病気に関係するそうですが、糖尿病のように歯周病と関係があるとされている病名もいくつか教えていただけますでしょうか?

歯周病を放置することで死に直結する病気を引き起こす可能性があります。

健康な方と比べて悪性度の高いバクテリアがお口の中にたくさん存在しているため、全身的な病気にかかる可能性を高めてしまうからです。

例えば、「誤嚥性肺炎」は歯周病にかかると健康な方と比べて4倍なりやすい事が分かっています。これは悪性度の高い細菌を含んだ唾液が肺の中に入ってしまうからです。

日本歯周病学会のまとめた結果では歯周病によって次の病気のリスクが上がると報告されました。

・虚血性心疾患:1.59倍
・冠動脈性疾患:1.51倍
・腎機能低下:2.24倍
・肝機能障害:2.3倍
・糖尿病:2.6倍
・妊娠性高血圧:1.61倍
・低体重児出産:1.82倍
・早産: 1.7倍

これは単純にお口の中の細菌が血管に入り込んで全身をめぐるだけではなく、細菌感染によって作られた炎症性物質が悪影響を及ぼすからと考えられています。また動脈硬化を起こした方の心臓の血管からは30%近くの確率で歯周病のバクテリアが見つかったという研究結果もあります。

また歯を失うという事が寿命と関わりがあることも示唆されており、歯が生え揃った状態を基準として比べると8本以上歯を失うと死亡のリスクが1.9倍、10本以上失うと2.8倍高まると報告されています。

最近アメリカの歯周病学会で講演があった話題として、歯周病によって奥歯が抜けて噛み合わせがなくなることで顎の支えがなくなり、気道が圧迫されて「睡眠時無呼吸症候群」を引き起こす可能性があるというものがありました。

他の先生もお話しされている通り、歯周病は「メタボリックドミノ」という病気の連鎖の入り口であり、放置することで別の病気を引き起こす怖い病気です。

質問者様のお父様が健康長寿でいられるよう、歯科医院での精密検査と歯周病治療を受けられることを心からおすすめ致します。

医療法人社団 Fortune Arch 福嶋歯科医院
歯周病専門医 福嶋太郎

福嶋歯科医院/福嶋 太郎
2022.03.07

名古屋市緑区のたけうち歯科クリニック・ホワイトエッセンス大清水院の竹内です。

歯周病を放置することによって、症状がひどくなっていくと、歯がグラグラしたり、歯茎が腫れたり、歯茎から出血したりと、様々なお口の症状が出てきます。そしてあまりグラグラになった歯は抜歯するしかなくなります。
歯周病は全身疾患と多くの関りがあり、糖尿病だけでなく、心臓病(感染性心内膜炎、狭心症、心筋梗塞)、脳卒中、脳梗塞、認知症、肺炎、骨粗鬆症、メタボリックシンドロームなど様々です。
歯周病も早く治療に取り掛かれば、悪化させることなく、健康的なお口でおいしいく食べられる生活が一生できることになりますので、ぜひ歯科医院を受診することをお勧めください。

たけうち歯科クリニック/竹内  伸一
2022.01.26

こんにちは、五反田みとめ歯科、院長の三留です。

ご家族の歯周病についてのご相談ですね。

歯周病を放置すると歯茎の炎症が進み、痛み、腫れ、歯が揺れて噛みにくくなる、口臭が強くなる、歯が抜ける、などが起きます。

また、おっしゃる通りに歯周病を放置することで全身の病気を悪化させるリスクが上がります。
歯周病に関連して糖尿病、脳血管障害、心臓病・動脈硬化、誤嚥性肺炎、など引き起こすことがあります。

厚生労働省のホームページにも歯科疾患と全身疾患の関連について明記しております。
また、十分に噛めないことで食事も美味しく感じにくくなりますし、胃腸への負担も増します。

ただし、歯科を含め病院を受診するかどうかは、最終的にはご本人の意思によるものと思います。
怖い病名を並べてもかえって軋轢(あつれき)を深める可能性もあります。
難しいとは思いますが渋々ではなく、自ら歯科を受診するように働きかけが出来るといいのかな、と思います。

以上、ご参考になれば幸いです。

五反田みとめ歯科/三留 康司
2022.01.26