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旅行マン!!/2022.10.04

お悩みマタニティ診療

妊婦と歯周病

妊娠すると歯周病になりやすいのでしょうか?
また妊婦が歯周病になると子どもになにか影響はありますか?

さかえ歯科医院 院長 榮です。

 妊娠すると、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の血清濃度の上昇に伴い、唾液や歯ぐきの溝から出てくる組織液(歯肉溝浸出液)の中にある女性ホルモンの濃度も上昇し、種類によっては妊娠しない時の10~1,000倍にも増えます。歯周病原菌は女性ホルモンを栄養素とするので、女性ホルモンが増加すると歯周病原菌も増殖します。そのことにより妊娠性歯周病になりやすいと言われております。妊娠性歯周病はほとんどが歯と歯の間の炎症を中心とする歯肉炎で、ブラッシングとプラークコントロールで改善できます。

 また、歯周病の炎症があると、子宮を収縮させる作用がある物質(プロスタグランジンE2、炎症性サイトカイン)の血中濃度が高まります。特にプロスタグランジンE2は、陣痛促進剤として使われるほど子宮収縮作用が強いため、歯周病が重症化すると早産(妊娠22~36週の間の分娩で、出産の5~11%)や低体重児出産(出生時の体重が2,500g未満の出生時で、出産の10%)の可能性が高くなると言われております。

 妊娠中は体調の変化やつわりなどで食事や生活リズムが不規則になりがちかと思われます。気分が良い時にブラッシングを行い、気分がすぐれない時でも食後すぐにブクブクうがいをしたり、キシリトールガムやタブレット、洗口剤を使用するなどすればブラッシングをしないよりは一定の効果はあると思いますので、試してみてください。

さかえ歯科医院/榮 健臣
2022.12.09

名古屋市緑区のたけうち歯科クリニック・ホワイトエッセンス大清水院の竹内です。

妊娠するとホルモンバランスの変化によって歯周病になりやすいということはあります。ただ、妊娠したから歯周病になるわけでなく、歯周病を悪化するリスクの1つであるということになります。
妊婦に起こりやすい歯周炎として「妊娠性歯肉炎」があります。これは、妊娠時に起こる歯肉炎になります。妊娠中は、ホルモンバランスの変化だけでなく、つわりによる吐き気がひどくなることで、食生活が不規則になったり、歯磨きが不十分になったりして、結果的に歯肉炎のリスクが高くなるためです。妊娠性歯肉炎の場合は、出産後にはよくなっていきます。

妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。これは歯周病の細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。その危険率は実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字と言われています。

たけうち歯科クリニック/竹内  伸一
2022.10.04