歯ぐきの出血は何が原因?考えられる病気と症状緩和のためのセルフケア
歯ぐきから出血の原因のほとんどが歯周病
歯ぐきの出血の原因は、そのほとんどが歯周病の影響だと言われています。歯周病は歯周病菌が原因の感染症ですが、体調が良い場合は何も症状が出ないこともあります。しかし、疲労やストレスによる免疫力が低下によって歯周病菌が活発になることで歯ぐきに炎症をもたらし、さらにちょっとしたことで出血してしまうのです。
歯周病は感染症なので、歯磨きなどのセルフケアで歯周病菌を取り除くことが基本になります。そして、もし出血などの症状が現れた場合でも、初期段階の歯周病なら自宅のケアだけでほとんど治すことができます。
歯周病は、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットという溝にプラークが溜まり、プラークに細菌が増殖することで歯ぐきに炎症が起きます。正常の人の歯周ポケットは歯と歯ぐきの隙間が1~2mm程度ですが、歯周病になると隙間は6mmほどにも広がってしまうのです。そのため、歯磨きなどの軽い刺激ですぐに出血してしまう危険性があります。
歯周病を罹患している人の特徴は、歯ぐきからの出血以外にも、歯ぐきが赤紫色っぽくなったり、口臭がひどくなったりする傾向があります。「歯周病かも……」という症状にお困りの方は一度診断を受けるようにしましょう。
歯ぐきの腫れを放置することで発生する病気は?
軽度の歯肉炎から重度の歯周炎に!
歯を磨くたびに歯ぐきから出血している人は、それがいつものことになってしまい、ついつい放置してしまいがちになります。
しかし、歯ぐきから出血しているのにそのまま長期間放置をすることで、初期段階の歯周病「歯肉炎」から症状が進行して、重度の歯周病「歯周炎」にまで悪化してしまう可能性もあります。歯周炎は、歯を失う危険性が高い病気とされています。
その症状とは、歯ぐきの腫れが化膿して歯を支えている土台の歯ぐきの下の骨を溶かしてしまうというもの。そうした状態の悪化を招かないためにも、歯肉炎の段階でしっかりとセルフケアを心がけ、歯科医院に通ってきちんと治療を行う必要があります。
歯周病が糖尿病の悪化を招くことも
歯周病と関連性があると言われる病気はいくつかありますが、その最たる例が糖尿病です。糖尿病の人は健康的な人に比べると体内の免疫機能が弱くなっているので、歯ぐきに歯周病菌が感染する危険性が非常に高くなります。また、歯周病菌に感染してしまい、歯周病菌が血中に入り込むと、インスリンの働きを阻害してしまうため、糖尿病の症状も悪化します。
さらに、血中に入り込んだ歯周病菌は血液の流れを妨げてしまい動脈硬化を引き起こす要因にもなります。歯周病はそうした他の病気にも悪影響を及ぼす危険な病気の1つなのです。
歯周病で歯ぐきの出血を抑えるためのセルフケア!
歯周病が悪化すると歯ぐきから出血したり、さまざまな病気の要因になったりするなど、多くの悪影響を及ぼすことが懸念されます。そうした症状を抑えるために実践すべきセルフケアについて3つ紹介します。
1.自分に合った歯ブラシで歯磨きする
歯周病ケアでもっとも大切なのが日々の歯磨きです。歯磨きは正しく行うことで歯周病菌の繁殖を抑えることができ、症状緩和にもつながります。しかし、歯ブラシの選択によっては、きちんとしたケアにつながらないケースもあります。
自分に合った歯ブラシを選ぶためにはヘッドの大きさを意識することが不可欠です。大きすぎると口の中で動かしにくく、隅々まで磨くことができません。この場合は、極力小さめのものをチョイスしましょう。歯ブラシの毛は柔らかい方が良いですが、柔らかすぎると歯と歯の間の歯垢を取り除き切れないケースがあるので、いろいろなタイプを試してみて自分に合うものをセレクトすることを心がけましょう。
2.寝る前に食べない!
「歯磨きをしてから寝る前に何かを食べてしまったけど、気にせず寝てしまった」という経験は多くの人がお持ちかと思いますが、この行動はNGです。歯周病菌は寝ている間の口の中の唾液が少ないタイミングで活動的になるため、菌の繁殖を増やすような行為は極力控えましょう。もし、寝る前に何か食べてしまったのなら、もう一度歯磨きしてからお布団に入るようにしましょう!
3.歯間ブラシやデンタルフロスを使う
歯周病ケアでは歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)をしっかりと磨くことも大切ですが、同時に歯と歯の間もしっかりとケアすることが求められます。しかし、歯と歯の間は歯ブラシだけでは完全に汚れを取り切るのは困難です。そこで活躍するのが歯間ブラシやデンタルフロスです♪ 歯と歯の間の歯垢をしっかりと落とすことができるので、歯周病予防にもピッタリの優れ物です!
歯周病はしっかりケアで予防できる病気!
今回は歯ぐきの出血の原因と、出血を抑えるためのセルフケアについて解説しました。歯ぐきから出血する原因のほとんどが歯周病によるもので、まずは歯周病予防に努めましょう!そして、出血のない健康な歯ぐきを手に入れるためにも日頃から歯や歯ぐきのケアに力を入れて取り組むことが大切です。