口元の疲れや違和感の原因は歯ぎしり!?睡眠中の癖を改善する4つの方法
歯ぎしりの引き起こすトラブル
多くの方は歯ぎしりをすることで「歯が痛くなる」「音が周囲に迷惑をかける」くらいの影響範囲だと思っているかもしれません。しかし、歯ぎしりは意外にも全身に多くの影響を及ぼす危険性があります。歯ぎしりによって以下のようなトラブルが起こるかもしれないことを認識しておきましょう。
トラブル1:歯が折れる・砕ける
歯ぎしりをすることで、歯が折れる、砕けるなどのトラブルが発生します。歯は本来エナメル質という非常に硬い素材で構成されています。しかし、睡眠時に食いしばりながらする歯ぎしりによってかかる力はなんと70kgにも達します。食事中が約10kg程度なのでその7倍にあたるだけに、歯にとても負担がかかっていることがわかります。さらに歯ぎしりは癖づいているので、短期ではなく長期間にわたって続くケースが多く、そうした場合は最終的に歯が折れたり、砕けたりすることがあります。
トラブル2:顎関節症
歯ぎしりは歯だけではなく顎にも大きな負担をかけるため、顎関節症になることがあります。顎関節症は、主に開口障害を引き起こすため、食事がしづらくなったり、日常生活に支障をしたりするほどの症状が現れることがあります。顎の不調を感じた際は、夜中の歯ぎしりが原因の可能性も疑ってみましょう。
トラブル3:首や肩のコリ
歯ぎしりは顎に大きな負担をかけると前述しましたが、顎に大きな負担がかかることで、咀嚼筋や側頭筋にも負担がかかり、さまざまな筋肉系の異常が発生することがあります。中でも影響を受けやすいのが首や肩のコリです。これは歯ぎしりが首や肩に影響を及ぼした結果であるかもしれません。
歯ぎしりを改善する4つの方法
睡眠中に歯ぎしりをするのにはさまざまな原因があります。その原因を把握してきちんと対処することで改善が見込めるケースもあります。歯ぎしりが気になっている方は以下の方法を参考にしてみてください。
方法1:ストレスを減らす
歯ぎしりの原因としてももっとも多いと言われているのがストレスです。職場の人間関係や家庭内でのトラブルなど現代社会においては、完全にストレスをなくすことは不可能に近く、ストレスを解消しながらうまく過ごすほかありません。適度な運動や自分の好きな趣味に時間を使い、ストレスとうまく向き合うことこそが、歯ぎしりの改善につながるかもしれません。
方法2:噛み合わせを改善する
噛み合わせが悪いということは、一見すると歯ぎしりと直接的な関係があるようには思えません。しかし、歯並びが悪く、噛み合わせが安定していないと歯ぎしりをしやすくなると言われています。また、噛み合わせが悪いと、歯ぎしりをした際に一部だけに強い力がかかってしまい、特定の部分の歯が砕けてしまう可能性もあります。そのため、噛み合わせを改善することで歯ぎしりによって歯が受けるダメージの軽減が期待できるのです。
方法3:マウスピースを使う
根本的な改善にはつながりませんが、マウスピースを使用することで歯ぎしりが軽減できるケースがあります。マウスピースは歯ぎしりの影響を受け、歯がダメージを受けないようにするもので、睡眠時に装着するのが基本です。また、マウスピースは弾性のある素材でできているため、顎への負担も軽減することが期待でき、歯ぎしりが起こすさまざまなトラブル解消に導く可能性があります。マウスピースは保険適用になるため、5,000円程度で作ることができます。
方法4:寝方を変える
寝る姿勢が悪く背骨が曲がり、気道が確保しにくい姿勢になっていると、無意識に鼻呼吸ではなく口呼吸が癖づいてしまっていることがあります。口呼吸は鼻呼吸よりも歯ぎしりすることが多くなります。そのため、寝る際の姿勢を正すことが大切ですが、もっとも鼻呼吸をしやすいとされる寝方は仰向けです。仰向けは気道がしっかり確保されるので、睡眠中でも鼻呼吸の維持が期待できます。
歯ぎしりは虫歯や歯周病よりも怖い
歯ぎしりというと、近くで寝ている人に迷惑がかかるものの、自分自身にはさほど大きな影響はないと思われている方も多いですが、歯が砕けるリスクがあるなど実は意外と深刻な症状です。将来的に後悔しないためにも、歯ぎしりが悪化する前に対策に講じたほうが良いでしょう。心配な方は、まず近くの歯科医院に相談してみることをおすすめします。