親知らずが生える人と生えない人がいる!その理由とは?
そもそも親知らずってなに?
では、そもそも親知らずとは、なんなのでしょうか? 親知らずは、上顎と下顎の一番奥に通常の歯よりも遅れて生えてくる歯で、分類としては「永久歯」です。親知らずが生えてくるタイミングは、多くの場合20歳前後ですが、稀に25歳を過ぎてから生えてくるという人もおり、生えるタイミングには個人差があります。人間の歯は、上下で合計28本ありますが、親知らずが生えた場合はプラス4本で、合計32本の永久歯が生えることになります。
親知らずは、生えることで他の歯に悪影響を及ぼす危険性があります。たとえば、親知らずが真横に向かって生えてしまっている場合は、歯と歯茎の隙間が大きくなり、歯周病のリスクが高くなります。
また、親知らずは、隣の歯と密着した状態で生えることが多いため、虫歯になっていても肉眼で確認するのが難しく、レントゲン撮影をしてようやく親知らずと前の歯の間が虫歯になっていることに気づくことが多いのです。すると、虫歯の治療も遅れてしまい、気づいた時には前の歯の内部まで虫歯が進行しているということも珍しくありません。
親知らずはこのように、とても厄介な歯と言えそうです。しかし、それにしても、親知らずは、なぜ生えてきてしまうのでしょうか?
親知らずが生える意外すぎる理由……!?
親知らずが生えてくるのは昔の名残?!
親知らずが生える原因は、色々な説があります。その中でも、有力な説と言われているのが、「昔の名残である」という説です。昔は人間の顎自体がガッチリとしていて、横に向かい幅がある骨格でした。しかし、硬いものを食べなくなったことから顎が徐々に小さくなり、歯が顎に収まらなくなってしまいました。その収まらなくなった歯こそが、親知らずなのです。
つまり、進化の過程で親知らずが不要になってしまった、というわけ。そのため、親知らずが生えない人は、ある意味、より進化を遂げた人間と言えるかもしれません。実際、親知らずが生えない人の割合は徐々に、増加傾向にあるようです。
親知らずが生えてこないのは遺伝子の異常?!
親知らずが生えない理由として、もうひとつ有力な説があります。それは、遺伝子の異常です。親知らずが生える、生えないというのは、遺伝子の影響を受けます。そのため、両親のどちらも親知らずが生えている場合、子供も親知らずが生える可能性が高くなるのです。
もし、両親がどちらも生えているのに、子供には生えていない場合は、親知らずを生えさせるために必要な遺伝子に異常が発生し、親知らずが生えない状態になっている可能性があるのです。
ただし歯茎に隠れている可能性もあるので注意!
さまざまな弊害のある親知らず……生えてこないのであれば、それに越したことはありませんが、一見して生えていないように見えても、実は生えていた……ということもあります。実は歯茎の下に隠れて肉眼では確認できないだけのこともあるからです。
このような場合は、歯茎が腫れたり、顎が重く感じたりすることがあり、レントゲンで確認しないと状態の把握が困難です。親知らずが生えていないはずなのに、歯茎に違和感があるようであれば、早めにレントゲンを撮り、状態を確認しておくことが必要になるでしょう。