子どもの「歯並び」を悪くする悪癖5つとは?遺伝より怖い指しゃぶりのリスク
子どもの歯並びを悪くする悪癖について
成長期の子どもの癖は歯並びに影響する
「癖だけで歯並びが変わるわけがない」と考えている人もいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。歯はたった約17gの負荷がかかるだけでも移動するといわれており、同じ方向に負荷をかけ続けることで簡単に歯並びは変わります。
特に成人した大人の骨と比べて成長期の子どもの骨は非常に柔らかく、癖による影響を大きく受けるといえます。
そのため、骨が成長する時期の悪い癖を直すことによって歯並びが悪くならないよう対策できるといえるでしょう。
歯並びを悪くする悪癖① 指しゃぶり
指しゃぶりをが癖になっていると、上の前歯が前に出て、下の前歯が内側に倒れた状態になりやすい傾向にあるでしょう。2歳頃までの指しゃぶりは至って自然な現象ですが、子どもが2歳を過ぎても続けていたらやめさせる必要があります。5歳以降も指しゃぶりを続けると発音に影響を及ぼす可能性もあるので、きちんと対策しなければいけません。
この癖を直すための一番の方法は、指しゃぶりが良くない理由を説明して、本人に理解させるということです。「ばい菌が身体の中に入ってしまう」などと説明すれば、本人が意識して癖を直そうとするかもしれませんよね。
また眠くなったときに指しゃぶりをする傾向がある場合は、寝る前に手をつないであげるといいでしょう。お母さんやお父さんと手をつないでいる安心感から指しゃぶりをしなくなったという子どものエピソードは多いので、ぜひ試してみてください。
歯並びを悪くする悪癖② 頬杖
子どもが2~3歳になって絵本を読んだり、お絵かきをするようになった時に始まる癖の1つが、頬杖です。そして、1日のうちに何回も頬杖をついていると歯が動いてしまうほか、力が1点に集中することによって顔が非対称になるケースも……。
頬杖の癖を直すためには、両手を使うことを教えてあげるのがいいでしょう。例えば、絵本は両手で持って姿勢を正して読むように促してあげましょう。また、絵を描くときには片手でクレヨンを持ち、もう一方の手で紙を押さえるように教えてあげます。両手を使う癖がつけば、自然と頬杖をつかなくなるはずですよ。
歯並びを悪くする悪癖③ 舌で歯を押す
案外多いのが、舌で歯を押すという癖です。どのような歯並びになるかは、どの位置を押す癖があるかによって異なりますが、噛んでも前歯が閉じない開咬や歯と歯の間が空いたすきっ歯になることが多いようです。
この癖は子どもにとっても無意識なため、後から指摘しても理解できません。舌で歯を押す癖が出たときに、すぐに指摘してあげましょう。これを繰り返すことで、徐々に癖が直っていくはずです。
歯並びを悪くする悪癖④ 口呼吸
口呼吸をしていると口周りの筋肉が十分に発達しないため、出っ歯になる傾向があります。さらに口呼吸をしていると口の中が乾燥して唾液の抗菌機能が弱くなるため、風邪をひきやすくなってしまいます。子どもの健康のためにも、口呼吸を直すのは必要だといえるでしょう。
しかし、口呼吸は単なる癖ではないことがほとんど。例えば鼻の疾患によって鼻で呼吸しにくいなど、何らかの原因がある可能性が考えられます。口呼吸の原因が分からない場合には歯科医院などで相談し、必要に応じて治療を受けることも視野に入れてくださいね。
歯並びを悪くする悪癖⑤ うつぶせで寝る
歯並びを悪くする悪癖の中でも、特に歯に大きな負荷がかかるのがうつぶせ寝です。完全なうつぶせ寝では約4.5㎏、横向きのうつぶせ寝では約2.9㎏の力があごに加わるといわれていて、これが続くと歯並びにも大きな影響が出てしまうことに……。
赤ちゃんのうつぶせ寝が危険なことはよく知られていますが、歯並びが悪くなるのを防ぐためには成長してからも、うつぶせ寝をさせないよう気をつけましょう。なかなかうつぶせ寝が直らない場合は、歯列保護を目的に作られた枕などを使用してみてもいいかもしれません。
ポイントは強さ・頻度・長さ
子どもの癖を直すのは、簡単なことではありませんよね。しかし、歯並びへの影響度は癖の強さや頻度、長さに比例します。例えば、完全に癖を直すことができなくても、頻度を減らすことができれば歯並びへの影響は抑えられるでしょう。
「癖を直すのは難しい」と諦めるのではなく、少しでも癖を減らすよう努力してみてください。
悪癖を直せば将来はキレイな歯並びに近づけるはず
歯並びが悪いと見た目に悪影響が出るのはもちろんのこと、歯磨きをしにくくなることから虫歯や歯周病になるリスクの上昇が懸念されます。できるだけキレイな歯並びを守るためにも、子どもの悪癖に気が付いたら、早い段階で直してあげるようにしてください。キレイな歯並びを手に入れることは、子どもの将来にプラスになるはずですよ。