「グラグラの乳歯を無理やり抜く」はNG? 子供の歯が生え変わるときの対処法とは
生え変わり期には丁寧なケアが必要
永久歯に生え変わるのは何歳ごろ?
乳歯が永久歯に生え変わりはじめるのは6歳ごろ。順次生え変わり、多くの子は14歳ごろに親知らずを除いたすべての歯の生え変わりが完了します。乳歯のときには20本だった本数も、永久歯では親知らずを含めると32本にまで増加します。
最初に生える永久歯は、「六歳臼歯」と呼ばれる奥歯です。乳歯の奥に生えてくるため目立ちにくい歯ですが、ものを噛み砕く力がもっとも強く、非常に重要な役割を果たします。その後に生えてくる永久歯の歯並びや噛み合わせの基本となるため、虫歯にならないようしっかりとケアしましょう。
生え変わり期には虫歯のリスクが上昇
永久歯は乳歯と比較すると丈夫な構造になっているものの、生えてから2年くらいはまだ脆く、虫歯になりやすい傾向にあります。また、生え変わり期には乳歯と永久歯が入り混じり、歯が抜けている部分もあるため、どうしても磨き残しが多くなります。
生えたばかりの歯は虫歯になると進行が早く、放っておくとあっという間に穴が開いてしまいます。小学校低学年まではきちんと仕上げ磨きをおこない、歯の溝に溜まった汚れを除去してあげましょう。虫歯の原因となる甘いものを与えすぎないようにする、「ダラダラ食い」をさせないようにするのも重要です。
生え変わり期に歯肉炎にかかる子も多い
子供には無縁のイメージがある歯肉炎ですが、実は「小・中学生の約4割が歯肉炎」というデータもあります(※平成23年歯科疾患実態調査より 小・中学生(6~14歳)/歯肉炎とは、プロービング(歯肉検査)後の出血・歯石の沈着)。
歯肉炎は歯槽膿漏の前段階ですが、正しい歯磨きで改善することができます。歯と歯茎の間に歯垢が溜まることで起こるため、この部分に歯ブラシをしっかり当て、丁寧に歯垢を取り除きましょう。
また、「萌出性(ほうしゅつせい)歯肉炎」と呼ばれる、六歳臼歯や十二歳臼歯などが生えてくるときに特有の歯肉炎もあります。永久歯の奥歯が生えてくるときは、歯の上に歯肉が被さった状態が半年ほど続くため、歯と歯茎の境目に歯ブラシが当たりにくくなり、歯垢が溜まって歯肉が炎症を起こしやすくなるのです。
小さな子供の場合、こうした箇所まで上手に磨くのは非常に困難です。毎日の仕上げ磨きを欠かさず、磨きにくい部分まできちんとケアしてあげましょう。
乳歯がグラグラのときは無理に抜かない
乳歯がグラグラのままでなかなか抜けないと、つい抜いてしまいたくなるという方は多いでしょう。しかし、グラグラの乳歯を自宅で無理やり抜くと、出血がなかなか止まらず子供が痛い思いをする可能性もあります。グラグラの乳歯はできるだけ自然に抜けるのを待ち、無理に引っ張らないのが鉄則です。
ただし、乳歯と重なるように永久歯が生えてきてしまったときは、歯並びへの影響を考慮し、早めに抜歯することをおすすめします。その際は自宅で無理に抜くのではなく、歯科医院で抜歯してもらいましょう。
永久歯が適切な位置に生えずに歯並びが悪くなってしまっても、他の永久歯が生えることで自然に整うことがあります。ただし、矯正治療が不要かどうかは専門家でないと判別が難しいため、気になる場合は歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
歯科医院で定期的な検診を
オーラルケアは生涯にわたって欠かせない習慣ですが、将来の口内環境を左右する生え変わりの時期は、特に気を付けてケアする必要があります。1年に3~4回は歯科医院で検診を受け、歯磨きがきちんとできているか、問題なく歯が生え変わっているか、歯並びに異常はないかなど、口内の状態をチェックしてもらいましょう。
参照
https://www.lion-dent-health.or.jp/labo/article/knowledge/02.htm
https://www.jbpo.or.jp/crossheart/magazin/case/01/
https://www.kao.co.jp/clearclean/oralcare/haekawari/06/
http://www.jspd.or.jp/contents/main/faq/faq04.html#faq_f0402
【ライター紹介】 小晴(こはる)
出版社での美容雑誌編集、web制作会社でのライター業を経て、フリーライターとして活動中。「文章を通してひとの暮らしをよりよくする」をモットーに、美容からライフスタイルまで、女性向けを中心に幅広い分野の記事執筆を手がける。2018年より唐突にパーソナルカラーの世界にハマり、イエベメイクの研究に日々勤しんでいる。現在は化粧品検定1級の取得を目指し奮闘中。