乳歯を抜くべきケースと正しい抜歯方法について
乳歯はいつ生えていつ生え変わる?
生まれたばかりの赤ちゃんは歯が生えておらず、口の中にはピンク色の歯ぐきだけがあります。生後6~9ヶ月ごろになると下の前歯から順番に生えてきて、個人差はありますが、だいたい3歳くらいまでに上下合わせて20本の乳歯が生えそろいます。
その後、歯ぐきの中で永久歯がどんどん育ち、6歳ごろから生え替わりが始まります。乳歯と同じように前歯から順番に生え替わり、9~12歳くらいまでに28本の歯が生えそろうのが一般的です。歯がキレイに生え替わるためには、この時期に問題なく乳歯が抜けているかをチェックすることが大切です。
グラグラ乳歯の注意点
乳歯がグラグラし始めると、お子さんは食事のときに歯を気にしたり痛がったりしますよね。歯を気にして舌でなめることが続くと、乳歯がポロッと抜け落ちる場合があります。その場合は問題ないのですが、乳歯が自然に抜けず「かわいそうだから」と無理やり抜いてしまうと、次のようなトラブルを起こす可能性があるので注意しましょう。
・歯の根っこが折れて歯ぐきに残る
・強い痛みや出血を伴う
・空間を埋めようと歯が移動してすきっ歯になる
・噛み合わせが悪くなり顎の発育に影響が出てしまう
グラグラしているからといって、その乳歯が必要なくなったわけではありません。永久歯が生えるまでは、歯並びを整えたり無駄な歯の移動を防いだりする大事な役割があるのです。「やけに時間がかかるけど抜いていいのかな……」と感じたら、まずは歯科医院で相談してみてください。
乳歯の正しい抜歯方法とは
明らかに乳歯がグラグラしていて今にも抜けそうな場合、自宅で抜歯するケースもあると思います。その場合、痛みを伴わず一気に抜くために次のような方法があります。
その1:指で引っ張る
グラついている乳歯をティッシュやガーゼで包み、大きく息を吐く瞬間に真上に引っ張ります。抜いた後はガーゼやティッシュを噛ませて止血します。
その2:デンタルフロスで抜く
グラついている歯の根元に手巻きのデンタルフロスを巻きつけます。そして、子どもが大きく息を吐く瞬間に、一気に糸を引っ張ります。そのあとはガーゼやティッシュで止血しましょう。ただし、抜いたあとも腫れや痛みがある場合は、歯科医院を受診してください。
そのほかの乳歯を抜くべきケース
<見出し4:そのほかの乳歯を抜くべきケース>
ここまで、グラついている乳歯の対処法を紹介してきましたが、下記のような場合には永久歯に完全に生え替わる前に乳歯を抜くことがあります。
ケース1:重度の虫歯
乳歯は虫歯になりやすく進行がとても早いです。少し放置するとどんどん悪化し、穴が開いて痛むことも。その場合、麻酔して抜歯をします。
ケース2:乳歯の損傷
歯をぶつけて乳歯が折れてしまったり割れてしまったりした場合、放置すると口の中をケガをする恐れがあるため抜歯することがあります。
ケース3:永久歯の生え方にトラブルが起きた
永久歯は乳歯を押し上げつつ乳歯の根を吸収しながら生えてくることがあります。その場合は、歯並びなどに悪影響を与えるのを防ぐため抜歯します。
ケース4:歯の下に膿がたまった
乳歯の生えている歯ぐきが化膿してプクッと腫れた場合、奥に控えている永久歯のエナメル質形成に悪影響を及ぼします。その場合、膿を出すために抜歯するケースがあります。
まとめ:生え替わりの時期はデリケートなので手厚いケアが必要
乳歯から永久歯に生え替わる時期は、将来の歯並びやお口の環境を左右する大切なタイミング。キレイで頑丈な永久歯が生えそろうようにするためも、お子さんの口の様子を見ながら異常やトラブルに早めに気づくようにしましょう。デリケートな時期なので手厚いケアが必要になります。