歯周病は人から人に感染する?気になる発症の原因

2018.06.05 healthオオタカ

歯周病に感染する原因

調べる赤ちゃん

歯周病は歯周病原因菌によって引き起こる感染症です。ただ、どのようにしてその原因菌に感染するのでしょうか。まずはその感染源について確かめてみましょう。

原因1:ケアの怠りによる細菌感染

歯周病は歯周病原因菌によって引き起こされる細菌感染症です。人間の口の中には通常500~600種類の常在菌がいると言われていますが、そのうちの20種類程度が歯周病原因菌です。

歯磨きを疎かにすることで口腔内環境が悪化すると、歯にプラーク(歯垢)が付着し虫歯や歯周病に罹患します。実は歯周病原因菌はプラークの中で生息しています。口腔内環境が悪化して歯と歯ぐきの間に歯周ポケットができると、徐々に歯周病原因菌が歯ぐきなどの周辺組織を蝕み、最終的には歯周病を発症します。

原因2:歯周病は人から人へ移る伝染病

虫歯菌と同様に、歯周病原因菌も元々は赤ちゃんの口の中には存在していません。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中はほぼ無菌状態です。しかし、親御さんが使った箸やスプーンで赤ちゃんに食べ物を与えたり、キスをしたりするなどのスキンシップを通して歯周病菌が感染してしまいます。

また、大人になってからも夫婦や恋人同士などが、キスなどで触れ合うことにより歯周病菌に感染することもあります。

原因3:歯科医院での院内感染の可能性も

歯医者で治療に来た患者さんのなかにはさまざまな感染症に罹患している方もいるため、歯科医院で院内感染対策が必須です。しかし、前の患者さんの口腔内に発生していた歯周病菌が器具の滅菌不足や不良により次の患者さんに感染することも考えられます。このため、歯周病原因菌の感染は歯医者での院内感染も決して否定できません。

歯周病の感染を防止するには

拒絶する女性

歯周病が感染症だからという理由で必要以上に人との接触に神経質になる必要はありません。しっかりと対処をすれば歯周病は予防が可能な病気です。

予防1:もっとも大切なのは口腔内のケア

私たちの口の中には虫歯菌や歯周病菌を含めて多くの細菌が常在しています。こうした常在菌のほとんどが善玉菌なので、常在菌のバランスを良い状態に保てば、歯周病に罹患することもありません。

口腔内の常在菌のバランスは口腔内環境と関係しており、口の中を良い状態に保てば歯周病にかかるリスクも少なくなります。そのためにも毎日の朝晩の歯ブラシが何よりも大切です。また、喫煙や過度な飲酒、口呼吸など口腔内環境に悪い影響を与えることはできるだけ控え、定期的に歯科医院で歯石除去など歯のクリーニングや定期検診を心がけましょう。

予防2:子どもやパートナーへの配慮を

子どもやパートナーに歯周病菌が感染しないよう配慮は当然ながら必要です。歯周病などに罹患している場合は歯科医院で徹底的に治療し、歯周病でない方も常に口腔内をきれいに保つよう留意することが大切です。

また、小さなお子様がいる親御さんは、できるだけ子どもに歯周病菌や虫歯菌が感染しないように、箸やスプーンなどの共有はせず口へのキスも控えるようにしてください。

予防3:歯科医院を選ぶ際は院内感染対策もチェック

歯周病菌は歯医者で治療中に院内感染する場合もあるので、歯科医院を選ぶ際は院内感染対策をしっかりと行っているかどうかを確認する必要があります。最近ではほとんどの歯科医院がホームページを持っているので、院内感染対策をどのように行っているかをチェックしてください。

院内感染対策に力を入れているかどうかの見分け方は、患者ごとにタービンなどの医療器具を滅菌処理しているかどうかがポイントです。厚生労働省の指定した安全基準である『歯科外来診療環境体制(外来環)』に適合した歯科医院は、十分な感染症対策を講じています。

まずはお口の中を清潔に保つことから始めよう

デンタルグッズ

歯周病は感染症ではありますが、人との接触を過剰に気にしすぎる必要はありません。まずは自身の口腔内を清潔に保って、歯周病を発生させないことが第一です。そして、周囲にも同様にお口の中をキレイにすることを求めましょう。お口の中を清潔に保つよう、全体で高い意識を持つことが大切です。

あわせて読みたい

レコメンド

関連記事