歯周病に加齢は関係ない?ケアを始めるべき年齢は?

2018.06.02 healthSUE

歯周病の原因とは?

歯ブラシ

「歯周病=お年寄りの病気」というイメージを持っている人は未だに多いかもしれません。特に昔は、高齢になると歯周病にかかって誰しも歯を失ってしまうものであるかのように考えられていました。しかし、歯周病は「歯周病菌」によって発症する感染症であり、年齢に関係なくかかる可能性があるのです。

歯周病を予防するうえではまず、毎日のブラッシングなどのケアが欠かせません。日頃の歯磨きが不十分だと、歯と歯ぐきの間に徐々に歯垢(プラーク)が溜まっていきます。そして、歯垢に棲み着いた歯周病菌によって歯肉に炎症が起き、歯を支えている骨が溶けることで最終的に歯を失ってしまうのです。

また、歯垢はすぐにきれいにしないと硬い「歯石」になります。歯石は歯磨きだけでは取り除くことができないため、歯周病をどんどん悪化させる要因となります。歯石が多く溜まっている人は、歯周病に罹患する危険がかなり高い状態だと言えるでしょう。

歯周病が発症しやすい年齢

次に年齢別に歯周病発症の危険性を見ていきますが、子どもがもっとも注意すべき歯の病気は虫歯です。しかし、20代後半からは虫歯になる可能性が減少します。そして、虫歯リスクが減少すると同時に増加するのが、歯周病リスクです。もちろん10代のころから歯周病に罹患している人もいますが、ほとんどの人は20代以降に歯周病を発症する傾向にあります。
しかしながら、歯周病は自覚症状が出にくい病気です。歯周病になると歯ぐきが赤く腫れる、出血するなどの症状が出ますが、痛みが出ることも少ないため、自分ではあまり気づかないことがほとんどです。むしろ、歯周病で痛みが出たらかなりの重症だと言えるでしょう。

なお、虫歯になりにくいからといって歯周病にもなりにくいわけではないので注意が必要です。虫歯がないと歯医者に行く機会が少なく、歯周病の発見が遅れてしまいがちです。子どもの頃に虫歯にならなかった人ほど、口の中の変化に敏感になる必要があると言えるでしょう。

子どもは歯周病になるの?

子どもは、大人に比べて歯周病になりにくいと言えます。しかし、歯周病予備軍は決して少なくなく、5~20歳の子どもの50%は軽度の歯周病である歯肉炎になっていることがわかっています。すでに歯肉炎になっている子どもの症状を悪化させないためには、日頃の歯磨きの習慣から見直す必要があると言えるでしょう。

日本人の8割は歯周病?

和装

歯周病は「世界一罹患者の多い病気」として知られており、ギネスブックにも登録されています。それだけ誰にとっても身近であり、誰でも罹患する可能性のある病気なのです。実際に、日本では成人の約8割が歯周病、あるいは歯周病の前段階である歯肉炎にかかっていると言われています。

歯周病罹患者の割合は年齢とともに上がっていき、20代後半~30代前半では20%前後、30代後半~40代前半では25%前後、40代後半~50代前半では40%前後、そして50代後半~60代前半では50%前後となっています。

なお60代後半からは歯周病罹患者の割合が減少しますが、これは歯を失ってしまうことが要因です。歯を失う原因としてもっとも多いのは歯周病であるため、60代後半から歯周病で歯を失う人が増えることが考えられます。

歯周病対策は早めに始めることが大切

歯を磨く子ども

歯周病の原因はあくまでも歯周病菌であり、加齢ではありません。実際に若い人でも歯周病に罹患している人はたくさんいます。歯周病において、「まだ若いから大丈夫」という言葉は一切通用しないのです。

そのため、「ケアを始めるべき年齢」というものは存在しません。強いて言えば今、このタイミングでケアを始めるべきでしょう。日々のデンタルケアが不十分だと、若くても歯周病になってしまいます。生涯にわたり自分の歯で食事を楽しむためにも、ぜひ今日から歯周病対策を始めるようにしましょう。

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