健康維持のために受診をおすすめする「歯科ドック」とは

2018.05.23 health福本春香

歯科ドックとは

ハートを噛む

人間ドックでは身体測定や血液検査だけでなく、CTや内視鏡を使い体中に異常がないかをくまなく調べますよね。歯科ドックでも歯や歯ぐきに精密な検査を行い、小さな変化や異常を発見します。定期的に歯科ドックを受けると、以下のようなメリットがあります。

メリット1:自分の口の中のことがわかる

毎日見ている口の中ですが、実は意外とよく知らないという人が多いのではないでしょうか。たとえば、小さい頃に受けた虫歯治療の跡がいくつあるのか、どんな詰め物が入っているのか、詳細に覚えておくのは難しいですよね。また、虫歯や歯周病は初期段階では自身で判断できません。ましてや歯を支えている骨の状態なんてとてもわかりませんよね。歯科ドックではそんな目で見えない部分まで画像などで見えるようにしてくれるのです。

メリット2:虫歯や歯周病の早期発見や予防ができる

歯ぐきが腫れたり歯が痛くなってから歯科医院に行くと、痛い思いをしたり治療が長引いたりしてしまいます。しかし、歯科ドックを定期的に受けることで虫歯や歯周病を早期発見すれば、悪化する前に治療したり食い止めたりすることができます。また、リスクのある部位がわかるので、適切なケアをすることで虫歯や歯周病になる前に予防ができるのです。

メリット3:治療やクリーニング後のいい状態を維持できる

せっかく治療を受けたりクリーニングを受けたりして口の中がキレイになっても、維持できなければあっという間に元通りです。歯科ドックではどのようにケアすればいいかやなぜトラブルが起こるのかもわかるので、普段の生活でより健康なお口を目指せます。そのため、治療やクリーニング後のいい状態を長く維持できるようになるのです。

歯科ドックでできること

歯科医院

では歯科ドックでは一体どんな検査や指導が受けられるのでしょうか。基本的な項目を紹介します。

その1:カウンセリング
まずは問診票をもとに歯科医師や歯科衛生士によるカウンセリングを受けます。これまでの歯科に関する経験や現在の気になること、さらに全身の健康状態や飲んでいる薬のこと。一見、口の中とは関係ない情報でもしっかり伝えれば、より検査後のアドバイスが具体的になります。またブラッシング習慣や食生活に関する情報収集も行われます。

その2:レントゲン・CT 検査
レントゲン撮影では虫歯や歯根の状態、顎の骨の状態など、目では見えない部分を検査します。CT検査では3次元の立体画像であらゆる角度から口の中を撮影。歯の根元の形や虫歯の有無、インプラントの術前診断や歯根破折の有無など、さまざまなことがわかります。

その3:口腔内写真撮影
歯と歯ぐきの写真を正面からだけではなく、奥や裏側まで鏡などを使って撮影します。レントゲンには反映されない現在の歯や歯ぐきの状態がわかります。また、写真に残すことで今後の変化が目で見てわかりやすくなります。

その4:唾液検査
唾液を調べることでミュータンス菌などの虫歯の原因菌の多さがわかります。また、唾液の分泌量や酸に対する弱さも診断できるので、自分がどれだけ虫歯になりやすい体質なのかがわかります。

その5:虫歯・歯周病検査
実際に口の中を見てもらい、虫歯や歯周病の有無と進行具合を検査します。また、現在どこにどんな種類の被せ物があるのか、口腔がんや粘膜病変の兆候はないかもチェックしてもらえます。

その6:染め出し
口の中のプラークを赤く染め出し、どこが磨けていないのかを調べます。また、磨けていない部分をどうケアすればいいのか、ブラッシング指導も行われます。

どうすれば受けられるの?

歯科ドックは歯科医院、または歯科のある総合病院や大学病院で受けることができます。自治体によっては保健センターや指定歯科医療機関で受けられることもあるので、ホームページで確認してください。歯科ドックは基本的に予約制なので、あらかじめ連絡をしておくことをおすすめします。

費用は保険適用か保険適用外かによって異なり、医院によってはどちらか選べるケースもあります。実施される項目によっても変わってくるので、受ける医院に問い合わせてみるのがおすすめです。相場は次のようになっています。

・保険適用の場合…3,000~5,000円
・自費の場合…20,000~30,000円

お口の健康維持のためにも歯科ドックを

歯科医師

歯は一度失ったら戻ってこない大事な体のパーツです。ずっと健康な状態を維持するためにも、ぜひ一度歯科ドックを利用してみてください。

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