歯を大切に!予防歯科がQOL(生活の質)向上につながる理由

2018.02.25 healthSUE

予防歯科とは

予防歯科は、日頃から歯を健康に保つことによって虫歯や歯周病を予防する考え方のことです。予防歯科のアプローチは大きく2種類あり、「歯医者で行う予防歯科」と「自分で(自宅で)行う予防歯科」に分けられます。

歯科医院の予防歯科メニューには、お口のクリーニング(PMTC)やフッ素塗布、定期検診、歯磨き指導などがあります。どれも歯の健康維持には欠かせない処置のため、多くの歯科医院が力を入れています。

しかし、歯科医院の予防歯科に通っているだけでお口の健康を維持できるかというと、そうではありません。定期的に歯医者へ通うことは重要ですが、毎日のセルフケアを怠ると意味がない(すぐに虫歯や歯周病を招いてしまう)からです。自分で自分の歯を守ることも、立派な予防歯科の取り組みだと言えるでしょう。

日本では、かつては「虫歯や歯周病になったら治療のために歯医者へ行く」という考え方が一般的でした。しかし、最近では「予防歯科」という言葉が定着し、「虫歯や歯周病にならないように歯医者へ行く」という人が増えています。予防意識の高まりから、ご自宅で熱心にセルフケアを行う人も少なくないようです。

自分でできる予防歯科

日本でも以前より自宅で歯のケアをする人が増えてきていますが、以下では実際に自宅でできる効果的なセルフケアを紹介します。今日からでもすぐに始められるので、ぜひ実践してみてください。

その1:フッ素入りの歯磨き粉を使う

フッ素は虫歯予防の効果が期待できる成分として知られています。歯医者のように高濃度のフッ素を塗布することはできませんが、フッ素入りの歯磨き粉を使うだけでも虫歯の予防につながります。

その2:正しい歯磨きを実践する

歯にこびりついた歯垢は細菌の塊で、口腔内のあらゆるトラブルの原因になります。歯垢をしっかりと落とすために、正しい歯磨きを身につけましょう。また、歯磨きだけでは歯垢を落としきれないので、デンタルフロスなどの併用をおすすめします。

その3:デンタルリンスを使用する

歯をよく磨く人でも、お口の中には1,000~2,000億個もの細菌が棲みついていると言われます。口腔内を清潔に保つために、殺菌効果のあるデンタルリンスを使用しましょう。細菌は口腔内が乾燥する就寝中に増殖するので、就寝前の使用がおすすめです。

予防歯科を軽視するとどうなる?

予防歯科を実践しないと、虫歯や歯周病になる確率がぐっと上がることがわかっています。また、歯医者の定期検診に通っていないと初期の虫歯や歯周病に気づけず、「放っておいたらかなり進行してしまった」ということにもなりかねません。虫歯や歯周病になると、生活にはどのような影響が出てくるのでしょうか。

影響1:食事を楽しめなくなる

歯に痛みがあると食事中も気になってしまい、料理を十分に味わえなくなります。また、歯が抜けて入れ歯になると噛む力はおよそ4分の1まで低下すると言われています。つまり、「以前は食べられたもの」や「好きだったもの」が食べられなくなるということ。噛む力の減退に合わせて、消化機能の低下を招く恐れもあります。

影響2:見た目の年齢が上がる

虫歯と歯周病は、歯が抜ける原因の大半を占めています。歯が抜けてしまうと顔にしわやたるみができるため、老けて見えてしまうようになります。口周りが老化することによって口角も下がるため、「機嫌の悪そうな表情」になってしまいがちです。

影響3:全身疾患につながる

虫歯や歯周病は「口の中だけの病気」と思われがちですが、実はこれらの病気は全身疾患につながることがわかっています。たとえば、メタボリックシンドロームや動脈硬化にも関連があると言われているのが虫歯。日本人の8割が罹患しているとされる歯周病は、糖尿病を悪化させる可能性が明らかになっています。

影響4:出産にも悪影響が

歯周病は出産に悪影響をおよぼすことがわかっており、妊婦さんが歯周病にかかっていると早産の確率が7.5倍に跳ね上がるという調査結果があります。歯の病気は母体のみならず、胎児にも好ましくない影響を与えてしまうのです。

「予防」を実践し、歯と人生を大切に

予防歯科の取り組みを通して健康な歯を維持することは、QOL(生活の質)の向上につながります。若いうちは歯の必要性やありがたみを実感できないかもしれませんが、年を取るにつれて予防歯科を重視していた人とそうでなかった人の差は如実に現れてくるものです。
虫歯や歯周病になって歯が抜けてから「きちんと歯のケアをしておけばよかった」と後悔する人は少なくありません。将来の自分がより快適に、より自分らしく過ごすためにも、ぜひ今から予防歯科を始めてみましょう。

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