11月15日は「口腔がん検診の日」~今日は何の日シリーズ第8回~

2017.11.15 newsHa・no・ne編集部 編集長I川

東京都玉川歯科医師会が口腔がん検診の普及を願い制定

すでに8回目を迎えた当シリーズですが、その大半の記念日が語呂で決まっていましたね(笑)。ただ、今回の口腔がん検診の日はそうした語呂ではなく、11月15日に制定された歴としたエピソードがあるのです。主幹となって動いたのは「公益社団法人 東京都玉川歯科医師会」。果たして地域の歯科医師会が立ち上がり、口腔がん検診の日を制定するまでにはどんなドラマがあったのでしょうか。

東京都玉川歯科医師会では、2002年から増加傾向にある口腔がんに対して「口腔がん撲滅キャンペーン」などの独自事業の展開を始めました。その内容は、地域住民にポスターやチラシによって口腔がんの啓発・注意喚起、「玉川方式」と銘打った会員による各診療所での口腔がん検診の実施が主なものでした。

地域の医師会でのこうした活動は実に素晴らしいことですよね。そうした賛辞の声は各方面から聞こえ、やがて全国の歯科医師会の口腔がん検診事業立ち上げのきっかけになりました。また、東京都玉川歯科医師会も2009年から口腔がん検診が世田谷区の受託事業になるなど、徐々に実績を積み上げていくことになりました。

そして、そうした地道な努力が結実したのが2008年11月15日に開催された第21回日本歯科医学総会です。総会では口腔がん検診普及をテーマにしたシンポジウムが開催され、その際に東京都玉川歯科医師会は、口腔がん撲滅運動のシンボルとして「レッド&ホワイトリボン」を発表。それが会場の賛同を得られたことを記念して、11月15日が口腔がん検診の日に制定する流れになりました。つまり、口腔がん検診の日は、東京都玉川歯科医師会の地道な活動が多くの人に認められた記念日でもあるのです。

決して他人事ではない口腔がんの危険性とは

口をおさえる女性

東京都玉川歯科医師会を中心とした地道な啓蒙活動によって認知度を増している口腔がんですが、世間一般ではまだまだその危険性を認識していない方が多いというのも現状です。そもそも口腔がんとは、お口の中全体を意味する「口腔」にできるがんの総称であり、「舌がん」「歯肉がん」「口腔底がん」「頬粘膜がん」「口蓋がん」「口唇がん」が該当します。各部位では、舌がんが発生する割合が一番高く、次に多いのが歯肉がんとなっています。

日本歯科医師会が2014年に発表した「歯科医療に関する一般生活者意識調査」によると、口の中にがんができることの認知度は71.9%と高めでしたが、口腔がんの早期発見や予防のための検査があることに対する認知度は43.7%に留まりました。調査結果からも普及活動はまだまだ“志半ば”であることを物語っています。

また、国立がん研究センターが2013年に実施した「最新がん統計」によると、新たに口腔・咽頭におけるがんが発見された方は、男女あわせて約1万9千人にのぼります。2005年の全国推計値では、約1万1千人だっただけに、ここ10年ほどの間で急激な増加傾向にあると言っても過言ではありません。胃や肺、大腸などのがんと比べて口腔がんで死亡する方の数は少ないと言えども、定期検診が習慣化されなければ、口腔がんによって命の危険にさらされる方も増える可能性があるでしょう。

日ごろの生活習慣の見直しと定期検診の徹底を

体の他の箇所にできるがんと同様に口腔がんを予防するためには、まずは日ごろの生活習慣を見直すことが大切です。中でも喫煙や飲酒が多い方はなるべく量を控えることを心がけましょう。特に喫煙者は非喫煙者に比べ約7倍も口腔がん発生率が高く、飲酒と合わさるとさらに危険度が増すので、その点をきちんと認識することが不可欠です。また、お口の他の病気と同様に、歯磨きをするなど日ごろから口腔内を清潔に保つことも予防につながります。

また、仮に口腔がんを罹患したとしても、他のがんとは異なり、患部を直接診断してもらえるので、早期発見がしやすい病気だと言えます。つまり、日々のケアと定期検診を欠かさずに行えば、発症を防ぎやすい、あるいは早期治療がしやすい病気なのです。重要なのは日々のケアと定期検診に通うことと明確なだけに、11月15日の記念日をきっかけに口腔がんに対する日々のケアの意識を高めることを推奨します。普段の小さな意識の積み重ねが将来の健康につながることは間違いありません。

次回の今日は何の日シリーズ第9回は、なんと!3月4日の『酸蝕歯(さんしょくし)の日』です。急に4ヶ月くらい間空いちゃいますね……。それはちょっと寂しいのでまた別の形式でもコラムを執筆していこうかなと思います!ふとしたタイミングで急にI川のコラムがアップされるかもしれないので、引き続きHa・no・neを毎回チェックしていただけると幸いです(笑)。それが編集長I川の切なる願いです(笑)。

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【プロフィール】 編集長I川

編集長I川

スポーツメディアの編集部から転職し、2014年にフリーセルに入社したエディター。200社以上のWebサイトライティングと20社のコンテンツマーケティングに携わった経歴を持つ。自身で執筆するよりも編集することを好み、一次情報に付加価値を加えてより魅力的な情報にして発信することを信条としている。Ha・no・neに携わるようになってから自身の歯の着色が気になるようになったが、毎日のコーヒーと3日に1食のカレーを食べる習慣はどうしても止められないようだ。

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