口腔の健康は全身の健康につながる?!歯医者さんで受ける定期検診のすすめ!
口腔トラブルが原因で発生する全身疾患
歯医者さんで受けるお口の定期検診がなぜ重要なのか……、それは口腔トラブルだけでなく、全身疾患のリスクも増えてしまうから。では、お口のトラブルがどのような全身疾患に発展する可能性があるのでしょうか?
糖尿病
今までは、糖尿病を発症することで合併症として歯周病のリスクが高くなるとされていましたが、最近では、その逆に歯周病を発症することで、糖尿病になるリスクが高くなることも報告されています。なんと歯周病にかかっていない人の2倍になるというデータもあるのです。それだけでなく、実際に糖尿病にはなっていなくても、糖尿病予備群となっている人も多いようです。
誤嚥性肺炎(ごえいせいはいえん)
誤嚥性肺炎とは、細菌や唾液などが飲食物と一緒に誤って肺に入り込んでしまうことで起こる肺炎です。唾液中の口腔常在菌が肺に入ると肺炎を起こしやすくなるのです。その多くは歯周病菌であると言われています。
動脈硬化
虫歯や歯周病を放置すると、口内の傷口などから細菌が入り込み、血管壁に作用して動脈硬化を促進させる可能性があります。動脈硬化は心臓に大きな負担をかけるので、高血圧や心肥大などの疾患につながることもあります。
心筋梗塞
心筋梗塞は、冠動脈がなんらかの原因で詰まってしまい、血液が流れなくなってしまう病気です。胸が締め付けられるように痛み、突然死することもあります。心筋梗塞になる原因は歯周病から引き起こる動脈硬化が原因の場合があり、実際に、心筋梗塞で亡くなった人からは歯周病菌が発見される割合が高いようです。
歯の定期検診を受けるメリットとは?
口腔内のトラブルを予防することができる
お口のトラブルから全身疾患を引き起こさないためには、その原因である病気を予防することが重要です。予防は一見セルフケアだけでも十分にできそうですが、どんなにしっかりとセルフケアしていても口腔トラブルを完璧に防ぐことは難しいのが現実です。そこで頼りになるのが、セルフケアに定期検診をプラスすること。定期的にお口の検診を受けることで、口腔トラブルを予防することができるだけでなく、すでに発生している口腔トラブルを早期発見・早期治療できるようになります。
口腔のトラブルが減れば医療費も減る
一見、「痛くもないのに、歯医者さんに行くなんて時間もお金ももったいない」と思われるかもしれませんが、実は口腔トラブルがなくなることは、経済的にも大きなメリットになります。虫歯になり抜歯が必要になった場合、3,000円前後の治療費がかかります。また、抜歯をしたところに人工歯による補綴(ほてつ)が必要で、インプラント治療を受けた場合1本あたり30~50万円の費用がかかります。ところが、定期検診でいつまでも自分の歯を健康に保つことができれば、治療が減少し大きな出費をしなくて済むのです。長い目で見ればどちらが健康にとってもお財布にとってもお得であることがおわかりいただけるでしょう。
歯の美しさを保つことができる
毎日のブラッシングでどんなにしっかり汚れを落としているつもりでも、知らず知らずのうちに磨き残しはできてしまうものです。除去しきれなかった歯垢はやがて歯石に変わり、汚れが溜まったり黄ばんでしまったりした歯は、どんどん美しさを失っていきます。そこでおすすめしたいのが歯のクリーニング。定期検診の際に一緒にクリーニングを受けると、歯垢や歯石を定期的に除去することができ、常に美しい歯を維持できます。病気予防にもなり一石二鳥です。
定期検診を受ける習慣をつけましょう
このように口腔トラブルはお口の中だけに留まらず、全身疾患につながります。最悪の場合は口腔トラブルが原因で重病に発展するリスクもないとは言えません。虫歯や歯周病などは軽い病気だと甘く見てはいけないのです。
異変に気づいたときも放置しないことはもちろんですが、定期検診を受ける習慣を身につけて、口腔トラブルから起こる全身疾患を予防しましょう。歯科医院では3ヶ月に1度の定期検診を推奨しています。受ける場合はまず、かかりつけの歯科医に相談してみてください。