子どもの虫歯は気づきにくい! 親が子どもの歯を守るためにできること

2017.06.16 health渡辺蘭

子どもの虫歯に気づきにくいのはなぜ? 放置するとどうなるの?

力む少年

1.子どもの虫歯に気づきにくい理由

子どもの虫歯に気づきにくい原因は、虫歯の色にあります。虫歯と聞くと黒ずんだ歯の状態を想像するかもしれませんが、実は子どもの場合、初期の虫歯にかかった歯は白いままなのです。

この白い虫歯は歯本来の白さと似ており、一見して虫歯と判断するのはとても困難です。子どもの口の中をよくチェックしていても見落としてしまうことが多く、気づいた頃には虫歯がかなり進行しているケースもあります。

2.乳歯の虫歯を放置するとどうなるの?

乳歯はいずれ抜け落ちる歯なので、虫歯にかかっても問題ないと思う方もいるかもしれません。しかし、乳歯の虫歯は放置していると永久歯にも悪影響を及ぼします。例えば、虫歯によって歯が抜けてしまったり、歯がかけて幅が狭くなったりすることで、そのスペースに隣の歯が倒れ込んで歯並びが悪くなることも……。

また虫歯を放置していると、歯の根元まで虫歯菌が進行し、膿が溜まります。すると、そこから生えてくる永久歯が虫歯菌に感染してしまい、将来的に虫歯にかかるリスクが高まってしまいます。

子どもの歯を守るためのケアとは?

歯抜けの少年

仕上げの歯磨き

子どもが自分で歯磨きをできるようになっても、しばらくの間はお父さんお母さんが仕上げ磨きをしてあげましょう。仕上げ磨きのポイントは「歯と歯の間」や「歯と歯茎の間」など、子どもでは磨ききれない細かい部分を中心に磨いてあげることです。歯ブラシを小刻みに動かして、歯の隙間などに溜まったプラークをしっかりと落としましょう。

デンタルフロス

仕上げ磨きと合わせて歯の隙間をデンタルフロスで磨いてあげると、さらに多くのプラークを除去できるため、虫歯予防に効果的です。はじめのうちは親御さんが代わりに磨いてお手本を見せましょう。お子さんが歯磨きに慣れてきたら、自分でも磨けるようにデンタルフロスの使い方を教えてあげるのもよいですね。

フッ素塗布

歯にフッ素を塗布することで、酸に対する抵抗力が増すので虫歯になりにくくなります。子どもの場合、歯が生え始めてから繰り返し歯に塗布することで効果が現れやすいと言われているので、1歳前後からフッ素を塗布することをおすすめします。

フッ素塗布は歯科医院で行います。おすすめは「フローデンA」や「フルオールゼリー」などの高濃度のフッ素。だいたい3ヶ月に1度のペースでフッ素処置を受けるとよいでしょう。

シーラント

シーラントとは、フッ素が配合されたプラスティック素材のことです。歯の溝など、プラークが溜まりやすく、歯磨きしにくい部分をシーラントで覆うことで、虫歯の原因であるプラークの蓄積を予防。保険が適用できる処置なので、1本あたりの費用は400~600円程度と、安価で受けられます。

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)

PMTCは歯科医院で行う歯のクリーニングで、歯科の専門器具を使うことで虫歯の原因になる歯の表面のバイオフィルムを除去できます。親御さんの仕上げ磨きでも落としきれない汚れまで、きれいに落とせるので虫歯になりにくくなります。PMTCは保険適用外のため、歯科医院によって費用が異なりますが、およそ5,000~10,000円ほどで受けられます。

子どもの歯を守るのはお父さんお母さんです

子どもの頃から歯のケアを徹底することはとても大切です。正しくケアをしなかったことで大人になってから虫歯や歯周病にかかりやすくなったり、歯並びが悪くなったりなど、将来的にも歯のトラブルで苦労する可能性があります。小さなお子さんのいる親御さんは、丁寧なホームケアと歯科医院でのケアを習慣化し、子どものお口の健康をしっかり守ってあげてください。

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