ちびちび飲みはNG!酸蝕歯の予防方法

2018.03.21 healthオオタカ

酸蝕歯の原因

私たちの歯の表面はエナメル質に覆われていますが、エナメル質は酸に溶けやすい性質があります。そのため、酸性度の高い飲食物を長時間にわたり、ちびちび・だらだら飲み食いしていると歯がダメージを受けてしまう危険性があります。酸蝕歯の危険性を高めるのは以下の原因を、日常的に気をつけることが大切です。

原因1:酸性度の高い食品の食べ過ぎ

通常、私たちの口腔内は唾液の働きにより中性になるように保たれています。唾液によって食後の口腔内の酸が中和され、酸によってダメージを受けたエナメル質も唾液によって再石灰化されます。こうして口腔内の健康が保たれているのです。

しかし、コーラなどの炭酸飲料やビール、ワインなどの酸性度の高い飲み物やレモンなどの柑橘類、梅干し、スポーツドリンクなどといった食品を摂り過ぎていると唾液の中和作用が間に合わず、口腔内が酸性の状態になります。酸性状態が続くと酸蝕歯になる危険性が高まります。

原因2:ちびちび飲み、だらだらとした食事

晩酌としてワインやビール、日本酒などを飲むことはあるかと思いますが、飲みすぎと長時間にわたる摂取(特にちびちび飲み)は控えることをおすすめします。お酒は基本的に酸性度が高く長時間飲み続けることで口腔内が酸性化してしまう可能性が高まります。

また、アルコールを摂取すると脱水症状を起こし唾液の分泌も悪くなるので、さらに口腔内が酸性化してしまう傾向に。酸蝕歯が進行するリスクが高まります。

お酒だけでなく、間食としてコーラなどの炭酸飲料水を飲みながら、スナック菓子などをだらだら食べ続けることも、口腔内が長時間酸性化する原因となるため、酸蝕歯の進行を早めることにもつながります。

原因3:逆流性食道炎も危険

近年では食生活の変化や仕事や人間関係のストレスによって、逆流性食道炎にかかる人が増えていると言われています。逆流性食道炎とは胃酸が逆流し食道の粘膜に炎症を起こす症状です。

逆流した胃酸は時に口腔内まで逆流することもあり、強酸性の胃酸が歯に触れることによって酸蝕歯の症状が悪化することも十分に考えられます。酸蝕歯の最たる原因として逆流性食道炎を挙げる歯科医師もいるぐらいであり、歯にとって危険な症状だと言えるのです。

また、過食や拒食など摂食障害も嘔吐によって胃酸が逆流するため、酸蝕歯の原因となります。

酸蝕歯の7つの予防法

酸蝕歯は酸性度の高い飲食物の摂取が原因となることもあります。しかし、レモンなどの柑橘類は酸性度の高い食品ですが、ビタミンなどが豊富で健康維持に欠かせない食品でもあります。酸蝕歯の予防で大切なのは、こうした酸性度の高い食品を一切避けるのではなく、食べる際のちょっとした工夫を施すことなのです。

予防法1:ちびちび・だらだらを改善する

「毎日の晩酌が欠かせない」という方も多いと思いますが、酸蝕歯を予防するためにも長時間、ちびちびとお酒を飲むことは控えた方がよいでしょう。また、コーラなどの炭酸飲料と一緒にスナック菓子などをダラダラと食べることもなるべく控えることをおすすめします。

予防法2:酸性度の高い食品ばかりを食べない

炭酸飲料水やスポーツ飲料、お酒、柑橘類などの酸性度の高い食品ばかりを食べるのではなく、牛乳やお茶、ホウレンソウ、キャベツ、魚類など比較的酸性度の低い食品も意識して摂ることを心がけましょう。

予防法3:正しい食習慣を身につける

毎日の食事は間食も含めて時間を決めるなど、正しい食習慣を身につけましょう。就寝時は口腔内の唾液の分泌量が減るので、寝る前の間食は控えたほうが安心です。

予防法4:飲食の後は水でうがいをする

飲食の後は水でうがいをし、口の中の汚れを落とすとともに、口の中の酸を中和しましょう。

予防法5:唾液の分泌を促しましょう

唾液は口腔内の酸を中和する作用があるので、食事の際にはなるべくたくさん噛んで唾液の分泌を促すことも重要です。また食後に無糖のガムを噛むと唾液の分泌が促され、口腔内環境をよくする手助けになります。

予防法6:逆流性食道炎などの場合は医師に相談を

逆流性食道炎の症状がある方や、過食や拒食などの摂食障害のある方は医療機関にて診察を受けて治療に努めることが大切です。症状を完治させない限り、常に酸蝕歯の危険がつきまとうでしょう。

予防法7:お酒の後の歯磨きを入念に

お酒を飲んだ後などは、歯の表面が酸により柔らかくなっている可能性があります。そのため、酸性度の高い飲食した後は、少し時間を空けてから歯を磨くのがおすすめです。この際、歯ブラシは柔らかいものを使用し、歯の再石灰化を促すフッ素やリカルデントが含まれた歯磨き粉を使用すると効果的でしょう。

酸蝕歯は普段の食生活を工夫するだけで予防できます

酸蝕歯の原因は酸性度の高い食品だけではなく、食べ方などに問題があります。日頃からの食生活や食習慣を見直し、酸蝕歯にならないよう気をつけてください。また、歯がしみる知覚過敏や歯の変色など酸蝕歯の症状に気がついたら、すぐに歯科医師に受診しましょう。

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