歯の先端がギザギザになる原因と対処法!
原因と対処法を確認したらかかりつけ医にご相談を
歯の先端がギザギザになる3つの原因
1.発育葉(はついくよう)
歯の先端のギザギザは、歯が生え変わった直後の子供の前歯に多くみられます。これは「発育葉」と呼ばれるもの。生えたての歯は先端がギザギザになっているもので、しっかりと前歯を使うことができていれば、徐々に平らになります。
2.酸蝕歯(さんしょくし)
酸蝕歯は酸度の強い食品を長期にわたり摂取する、逆流性食堂炎で胃液が逆流するなど、なんらかの影響を受けて口内が酸性に近くなることで起こります。口腔内のPH値が酸性に近くなり、歯が溶けている状態です。酸蝕歯になると歯の先端がギザギザになり、透き通って見えることがあります。
3.不正咬合(ふせいこうごう)
不正咬合は「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」や「反対咬合(はんたいこうごう)」などの噛み合わせが悪い状態を指します。この状態が長期間続くと歯の一部に強い力がかかり歯の先端がギザギザになってしまう可能性があります。
4.歯ぎしり
歯ぎしりは体重の約3倍の力が歯に加わるため、歯が次第に削れてしまいギザギザになってしまう可能性があります。また、歯ぎしりが治らないまま長期間過ごしてしまうと、歯が砕けるように割れてしまう原因にもなります。
原因別の対処法
1.発育葉の対処法
食事の際に前歯を使う習慣がない子供の場合は、歯の先端のギザギザが取れないことがあります。この場合の対処法はただ一つ。前歯を使わせることです。親が食べ物を食べやすいようなサイズにカットしていると、食べ物を前歯で噛み切る習慣がなくなるため、発育葉が削れずギザギザが残ってしまいます。食べ物を噛み切る習慣を付けるために、食べ物はある程度の大きさのまま与えるようにしましょう。
2.酸蝕歯の対処法
酸蝕歯は酸性の食品の摂り方に気を付けることで悪化を食い止めることができます。過度に摂取せず、酸性の飲み物などを長時間口腔内に留めることをしなければ、悪化することはほとんどありません。逆流性食道炎の場合も、胃液が逆流したらすぐにうがいをして口腔内に溜まった胃液を洗浄することで悪化を防ぐことができます。
3.不正咬合の対処法
不正咬合は歯列矯正を行います。軽度ならばマウスピース矯正で治すことができる場合もありますが、重度の場合はワイヤーを使用した治療をしなければ治らない可能性もあります。また、顎の骨に不正咬合の原因がある場合は、外科手術が必要になることもあります。
4.歯ぎしりの対処法
歯ぎしりが原因の場合はマウスピースで対処します。歯科医院で自分専用のマウスピースを作成し装着することで、睡眠中の歯へのダメージを軽減でき、歯がギザギザになるのを防ぐことができます。
審美歯科へ相談してみましょう
発育葉は永久歯が生えたばかりで柔らかいため、ギザギザになっていたとしても、使うことで削れます。しかし、完全に歯が成長しきってしまうと一度ギザギザになった歯は簡単に元の状態に戻すことはできないので、早めの治療が必要です。
そのような場合は審美歯科に相談してみてください。審美歯科では、「コンポジットレジン」や「ラミネートベニア」などの方法で審美的な観点からアプローチをかけることができます。コンポジットレジンは、レジン(樹脂素材)を歯の先端のギザギザとしている部分に詰めて専用の光を照射し固めます。その後、違和感が出ないように周りの歯の形に合わせて削り整形し完成。
天然の歯とほとんど見分けが付かないので、効果的に改善することができます。ラミネートベニアは歯の表面を少し削り、その上にセラミック製のシェル状チップを貼る方法で、歯の形を治すことができます。
早めにかかりつけの歯科医師に相談を
歯の先端がギザギザになっているのは気付きにくく、放置しやすいですが、酸蝕歯や不正咬合、歯ぎしりなど、さまざまな口腔内のトラブルのサインとして働いている可能性もあるため、決して無視をしてはいけません。将来的に健康的な歯を維持するためにも、早めにかかりつけの歯科医師に相談してみましょう。