治療の前に知っておきたい!「歯列矯正」の流れ

2017.04.04 health木村由奈

初診から治療開始までの流れ

歯並びの乱れが原因で生活に支障をきたしている、もしくはコンプレックスを感じているという方の中には、歯科医院で矯正治療を受けるかどうか検討中の方もいらっしゃるでしょう。近年では、おなじみの金属製ブラケットを使用した治療法だけでなく、取り外しできる透明なマウスピースを使った治療法もあるので、一度歯科医院に相談してみることをおすすめします。

そこで今回は、一般的な歯列矯正の流れについてお伝えします。どのような流れで治療が行われるのか知っておけば、治療への理解も深まり、取り組みやすくなるでしょう。

[STEP1]カウンセリング

治療を受ける女性

初めての来院では歯科医師とのカウンセリングが行われます。歯科医師が口腔内を目で見て確認し、現在の歯並びの状態を把握します。近年の矯正治療では、矯正装置の種類がとても豊富です。患者さんにとってどのような治療方法が適しているのかを説明してくれます。

同時に、患者さんからの質問タイムもあります。もし本格的に治療が始まるとしたら、どのくらいの費用がかかり、どのくらいの期間で治療が終わるのかなど、歯医者さんが丁寧に教えてくれます。このときに予算や見た目についての要望もしっかりと伝えましょう。

[STEP2]精密検査

レントゲン

カウンセリングを終えると精密検査をします。精密検査では、歯科用CTで歯や顎の状態を撮影したり、歯型のサンプルを採取したりします。歯科医師は検査結果をもとに、患者さんがどのような歯の状態かをより詳しく正確に知ることができるので、カウンセリング時に伝えられた内容が変更になることもあります。ここで治療費の見積もりが出されます。

[STEP3]治療法・治療費などの説明・契約書にサイン(最終確認)

サイン

精密検査をした後、患者さん一人ひとりに合わせて治療計画を立てます。患者さんが次に来院するときは、治療開始前の最終確認です。治療方法や治療期間、プロセスなどを詳しく説明され、同意すると契約書にサインをし、治療が始まります。このとき、説明されたことに対して、わからないことがある場合は、必ず都度確認を取りましょう。なお、治療費の支払い方法は、歯科医院によって異なります。

治療開始からの流れ

[STEP4]ブラッシング指導・生活指導

歯科医師

まずブラッシング指導や生活指導から始まります。例えば、メタルブラケットという金属製のパーツとワイヤーを使った従来のブラケット矯正を選んだ場合は、装置を歯に固定してしまうので、これまでとは生活習慣が変わるだけでなく、長期間その状態が続きます。そこで、食後のブラッシング方法やブラケットを付けたまま快適に生活ができるように指導を行ってくれます。

[STEP5]本格治療・装置の装着

歯科治療

矯正装置を付けたら虫歯や歯周病治療をすることはできません。矯正治療を中断することは良くないからです。そこで、装置を付ける前に未治療部分を治療します。お口の病気を改善できたら、ようやく装置の装着です。

装置装着後は4~5時間くらいで歯が引っ張られる感覚と共に痛みが現れることがあるので、痛み止めが処方されます。軽い痛みが1週間くらい続くこともありますが、少しずつ慣れてくので安心してください。

[STEP6]月に1度の通院

ユニットに座る女性

装置の装着中も普段通りに過ごせますが、定期的に歯科医院に通院する必要があります。矯正装置や治療方法によっても異なりますが、頻度は月に1度程度です。この通院では、装着した装置にズレや歪みがないか確認し、歯が正しく動いているかチェックします。問題がなければ通院ごとに少しずつワイヤーを調整して歯を動かしていきます。1~2年くらいは矯正装置を付けたままの生活が続きます。

治療が終了してからの流れ

[STEP7]リテーナー(保定装置)の作成

矯正器具

歯が完全に移動したら矯正装置を外し、リテーナーと呼ばれる保定装置を作成します。リテーナーは、動かした歯がもとの位置に戻ってしまわないようにキープする装置です。ここからさらに1年程度リテーナーを付けます。

[STEP8]3~4ヶ月に1度の通院

カウンセリング

リテーナーを装着してからは、3~4ヶ月に1度の通院頻度が少なくなります。動かした歯がしっかりと定着しているか、噛み合わせが正しくできているかなどの確認が主な目的です。

[STEP9]定期メンテナンス

小児歯科

リテーナーを1年程度装着した後、歯科医師に「外しても大丈夫です」と言われたら歯列矯正のすべてのプロセスが完了します。その後は、せっかく長い時間と高いお金をかけて治療をした歯を、虫歯や歯周病で失わないためにも、定期的なメンテナンスを受けましょう。

ブラケットだけじゃない!歯列矯正の種類は豊富

笑顔の女性

今回は歯列矯正治療の一般的な流れをご説明しました。今回ご紹介したのはブラケット矯正の流れですが、歯列矯正はその他にも、他人に気づかれにくい舌側矯正や取り外し可能なマウスピース矯正など豊富な種類があり、患者さんのお口の状態や治療方法によって矯正の流れも大幅に変わります。カウンセリング時に説明をしっかり聞いて、矯正治療に取り組みましょう。

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