ジュースの飲み過ぎが歯を溶かす原因に?「酸蝕歯」にご注意!
ジュースの飲み過ぎで歯が溶けるのはなぜ?
歯は口腔内の酸度が高くなると溶けてしまうと考えられています。具体的には歯のエナメル質が溶け始める酸性度はPH5.5以上。炭酸ジュースなどの市販飲料の酸性度は、ほとんどがPH5.5以下です。つまり、普通に飲む分には、歯が溶けてしまうことはほとんどないのです。
また、たとえ酸性度の高い炭酸ジュースを飲んだとしても、唾液の働きによって酸性に傾いた口腔内が中和されるため、すぐに歯が溶けてしまうということはありません。
では、なぜ炭酸ジュースで歯が溶けると言われているのでしょうか? それは、炭酸ジュースの飲み方に問題があります。
要注意!歯を溶かす炭酸ジュースの飲み方
・寝る前に炭酸ジュースを飲む
日中よりも、寝る直前に炭酸ジュースを飲む方が歯は溶けやすい状態になります。その理由は、睡眠中は唾液量が減少するからです。酸性に傾いた口腔内を中性に戻す唾液の力が弱まってしまうため、歯が溶けてしまうリスクが増大します。
・口にする頻度が多い
普段から炭酸ジュースを飲んでいる人は気をつけておきたいところです。頻繁に炭酸ジュースを口にすると唾液が口腔内を中和させる前に酸性に戻ってしまうため、歯が溶けやすい状態が続くことになります。
・フレーバーつきの炭酸ジュースを飲む
炭酸ジュースにも、さまざまな種類がありますが、レモンやオレンジ、ライムなどの柑橘系のフレーバーつき炭酸ジュースは、酸性度が比較的高めな傾向があります。また、砂糖もたくさん含まれているので、虫歯にもなりやすいと言えるでしょう。
酸蝕歯の症状
酸蝕歯になると、どんな症状があらわれる?
歯が丸くなって黄ばみが目立つ
なんとなく歯の先端が丸くなっている場合は、酸蝕歯である可能性が高いかもしれません。酸による摩擦の影響から、徐々に歯の先端部分が丸くなります。また、歯の表面がザラザラして、少し黄ばんでいるときも酸蝕歯になりかけている状態だと言われています。
歯の先端がギザギザになる
症状が進行した中期以降は、歯の先端がギザギザしてきます。これは酸の影響で、歯が先端から溶け出している状態です。噛み合わせが悪くなるため、顎に悪影響を及ぼすことも。このような症状が出たら、なるべく早めに歯科医院を受診して治療しましょう。治療の際には、歯科用レジンを使って歯の形や色を修復します。
歯が透明になる
さらに悪化すると、歯全体が透明に見えることがあります。ペンライトなどで裏側から歯を照らすと、ハッキリわかります。この状態まで進行してしまうと、自然に治ることはありません。悪化している状態を放置せずに、必ず歯科医院を受診してください。
冷たい物や熱い食べ物がしみる
酸蝕歯が悪化すると、冷たい物や熱い食べ物がしみる知覚過敏の症状があらわれます。これは歯が溶け出し、象牙質が露出することで起こります。
詰め物や被せ物がとれる
歯が溶けると変形してしまい、歯の詰め物や被せ物がとれやすくなります。硬い物を噛んだり、歯をぶつけたりしたわけではなのに、詰め物や被せ物がとれてしまった場合は、酸蝕歯を疑いましょう。
ジュースの飲み方には十分に注意しましょう!
このように炭酸ジュースの飲み過ぎや間違った飲み方によって、歯が溶けるリスクがあります。また、今回紹介した症状に心当たりがある場合は、すでに酸蝕歯が進行している可能性も考えられます。なるべく早めに、かかりつけの歯科医師に相談してみましょう。