更年期に多いドライマウス……唾液をしっかり分泌するコツは

2017.09.04 health渡辺蘭

よく噛む

咀嚼と唾液分泌の関係

“咀嚼(そしゃく)”は、唾液の分泌と密接な関係があります。食べ物をよく噛むことで、口の周りにある“唾液腺”が刺激され、唾液の分泌量が増します。柔らかい物ばかりではなく、硬めの食べ物やキシリトールを使用しているガムなどを食べ、よく噛むように心がけましょう。

その他の効果

消化を助ける

しっかりと咀嚼を行うと、“ムチン”という成分が分泌されます。これは上皮細胞から分泌される粘膜のような物質で、食べ物が飲み込みやすくなる働きがあります。さらに、“アミラーゼ”と呼ばれる消化酵素の分泌も促進するため、食べ物を消化しやすくなると言われています。

食べ物を美味しくする

咀嚼の回数が多くなると、“ガスチン”の分泌を促します。ガスチンは味覚を敏感にする働きがあり、食べ物の味をしっかりと感じられる効果があります。

リラックスする

「リラックス」と「唾液分泌」の関係性

唾液を分泌する唾液腺は、“交感神経”と“副交感神経”のバランスでコントロールされています。通常は、“副交感神経”が作用して正常な唾液分泌が行われていますが、緊張すると“交感神経”が作用し、唾液の分泌量が少なくなってドライマウスになると考えられています。

リラックスすることで唾液量をコントロールできるようになるため、ゆっくりと湯船に浸かったり、音楽を聴いたりしてドライマウスをケアしましょう。

その他の作用

不眠解消

“交感神経”が作用していると、目が冴えてしまいなかなか寝つけないことがあります。このような場合にもリラックスすることで“副交感神経”の作用が働き、自律神経のバランスが整えられることで不眠が解消すると考えられています。

女性ホルモンのバランスが整う

自律神経のバランスが大きく影響するのは唾液の分泌量だけではありません。女性ホルモンの分泌量も自律神経にゆだねられています。唾液と同じで、“交感神経”が優位に働くと女性ホルモンのバランスが乱れてしまいますが、半身浴やアロマなどを活用してリラックス気分を味わうと、自律神経のバランスが整い女性ホルモンの分泌が正しく行われるようになります。

水分補給と唾液分泌の関係性

水分をしっかりと摂ることで唾液分泌が促されるため、ドライマウスの改善が期待できます。1日に約1~1.5リットルの水を飲むように心がけましょう。

その他の作用

口臭の緩和

朝起きたときや空腹のときなどは、唾液の分泌量が極端に減少しているタイミングです。口腔内を洗浄し殺菌する力が弱いため、細菌が増殖して口臭が発生しやすくなります。

そんなときは水分を補給し、唾液の分泌を促しましょう。口臭のもととなる細菌の数が減少するため、口臭も緩和されます。

酸蝕歯予防

水分補給は体の健康を維持するためにも大切ですが、水ではなくジュースを摂取すると口腔内が酸性に傾き、歯が柔らかくなってしまう“酸蝕歯(さんしょくし)”という状態になることがあります。

歯の健康を守るためにも定期的な水分補給が重要です。水を飲むことで酸性に傾いた口腔内を正常な状態に戻し、酸蝕歯の予防効果も期待できます。

乾燥がひどい場合は歯科医院へ

唾液の分泌を促すには、食べ物をよく噛み水分をこまめに摂取することが大切です。また、日ごろからリラックスできる時間を大切にしましょう。口腔内の乾燥がひどい場合は、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

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