虫歯になりやすい食べ物や飲み物を意識した正しい食習慣を
虫歯になりやすい食べ物
キャラメル
もっとも虫歯になりやすい食べ物と言われているのがキャラメルです。キャラメルは、そのほとんどが糖分でできています。虫歯を発生させる細菌は糖分を元に酸を作り出しているので、糖分はたくさん含まれているほど虫歯になりやすいと言えるでしょう。さらにキャラメルの場合は、歯にくっつきやすく、唾液による洗浄などでは綺麗に落とすことが難しいので、とても虫歯になりやすいのです。
チョコレート
日本では“チョコレート=虫歯”というイメージが根付いていますが、チョコレートは特別虫歯になりやすいわけではありません。むしろチョコレートに含まれているカカオの成分が虫歯を防ぐ効果があるとさえ言われることもあります。しかし、それは甘くないカカオの割合の高いものの話。ミルクチョコレートなどは糖分が大量に含まれているので、過剰に摂取して歯をみがかなかったりすると、すぐに虫歯になってしまうので注意しましょう。
ポテトチップス
ポテトチップスはキャラメルやチョコレートに比べ、糖分が少ないので虫歯になりやすい食べ物の印象は薄いかもしれません。ですが、口の中でとても細かく粉砕し、食べカスが歯と歯の間や歯の表面の溝などに入り込みやすい食べ物なので、その食べカスをエサとして虫歯菌の繁殖を促してしまうことで、虫歯になりやすいのです。
虫歯になりやすい飲み物
スポーツドリンク
これからの季節はスポーツドリンクを飲む機会が増える人も多いと思いますが、飲みすぎると虫歯になる可能性が高まります。口腔内の環境は、唾液により中和されて弱アルカリ性を保っています。しかし、飲みものの酸値が高い場合、口腔内が酸性の状態に傾くため、ダラダラ飲みをしていると、虫歯になりやすい状態が続きます。スポーツドリンクの酸値は約Ph3.5。エナメル質が溶け始めるのはPh5.5だと言われているので、エナメル質を溶かしながら飲んでいることになります。
※酸値は数字が小さくなるほど酸性に傾き、大きくなるほどアルカリ性に傾きます。
ビール
一度に大量にビールを飲む人も注意しましょう。ビールも若干ではありますが、酸性の性質をもつ飲み物です。Phは4.3とスポーツドリンクよりは酸値が低めですが、毎日大量にビールを飲んでいる場合は、エナメル質が溶けて虫歯になりやすくなります。
ワイン
実はビールよりもワインの方が酸値は高めです。ワイン独特の酸味はブドウの酒石酸とリンゴ酸によるもので、当然ワイン自体も酸性が高くなります。酸値はワインの種類によりことなりますが、平均でPh3.8。テイスティングをするために口に含み時間をかけることがありますが、なるべく口に留めることはしない方がよいということになります。
コーラ
酸値が高い飲み物の代表と言えばコーラです。もっとも一般的なスタンダードなコーラの場合、酸値はなんとPh2.2。エナメル質の臨界点Ph5.5を優に超えています。炭酸が好きな子どもなどは、ダラダラと時間をかけて飲んでしまうこともあるのでより注意が必要です。
虫歯になりやすいものを飲食したときには丁寧に歯みがきする
上述のもの以外にも、わたしたちが日々口にする食べ物や飲み物には、虫歯発症の可能性を高めるものがたくさんあります。そのため、これらの飲食物を口にしたときには、丁寧な歯みがきを心がけることがとても大切です。
飲食した後丁寧に歯みがきをすることで、食べカスを除去したり細菌の増殖を防いだりすることができ、酸を発生させにくくできます。また、飲み物により口腔内が酸性に傾いた状態をリセットすることもできます。
生活習慣を正すことが大切
こうしたことから、生活習慣として、食後は丁寧に歯をみがくように気をつけましょう。正しい歯みがきの方法は、歯科医師・歯科衛生士の指導を受けることができ、自分の歯みがき方法が正しいかどうかを判別することもできるので、一度相談してみるのもよいでしょう。
歯みがきなどで口腔内をアルカリ性に保つことができないと、虫歯の可能性が高まるだけでなく、さらなる合併症や全身疾患を引き起こす可能性まで高めてしまいますので、もし上記のような食事を摂ることが多い方は、生活習慣の見直しから始めてみましょう。
今回紹介した食べ物を覚えて虫歯を予防しましょう!
こうして見てみると、普段口にする機会が多い食べ物や飲み物が意外と虫歯の原因になることがわかります。特にお菓子や甘い物、炭酸飲料などが好きだという人は、虫歯になるリスクが高くなるので注意しましょう。また、今回ご紹介した食べ物をしっかりと認識することで予防につなげられます。そして、歯みがきができないシチュエーションではこれらの飲食を控えたり、飲食してしまった場合はうがいをするなどで対策をしましょう。
こうした習慣を身につけることで、虫歯に悩まされる可能性をゼロに近づけることができます。なるべく虫歯のリスクを回避する習慣を身につけられるよう、努力してみてください。