虫歯・歯周病のリスクが急上昇!妊娠中は口腔内環境がガラッと変わる!

2017.05.03 health小日向睦

虫歯・歯周病のリスクを高める口腔内環境の変化とは?

ホルモンバランスが乱れる

妊娠

妊婦が歯の病気になりやすい原因は、ホルモンバランスの乱れが深く関係しています。妊娠中に分泌される女性ホルモンはとくに歯周病菌の増殖を促進し、活動を活発化させてしまうのです。さらに、ホルモンバランスが乱れると普段サラサラとしている唾液に粘り気が出て、口腔内を殺菌しづらい状態になります。すると、口腔内が酸性へと傾き、歯を補修する再石炭化が行いづらい環境(=虫歯になりやすい環境)になってしまうのです。

つわりで歯磨きが不十分になる

口を抑える妊婦

妊娠し、つわりが起こると、胃のムカつきや歯磨き粉の味が原因で、歯磨きができない状態になりやすくなります。酷い人だと、口に歯ブラシを入れただけでも嘔吐反射のように嗚咽がしてしまうこともあります。すると、不十分な歯磨きが原因で口腔内環境が変わり、虫歯や歯周病になりやすくなってしまうのです。

つわりで口腔内が酸性になる

つわり

個人差はありますが、つわりが酷い人の場合、嘔吐で逆流した胃液がエナメル質を溶かす原因になり、虫歯の進行が速まる可能性があります。しかし、酸の逆流は一時的なものなので、長期的につわりが起こっていない限り、しっかりと口をゆすげば、問題になることはほとんどありません。嘔吐をした後はすぐにうがいをするようにしましょう。

虫歯や歯周病が赤ちゃんに与える影響

お母さんが虫歯だと赤ちゃんも虫歯になる?

あかちゃん

お腹にいる赤ちゃんに虫歯がうつることはありません。しかし、お母さんの虫歯を放置しておくことで、出産後に赤ちゃんが虫歯になることはあります。その原因は、口移しやキス。出産後の赤ちゃんのお口には菌がいませんが、お母さんの虫歯菌がうつり口腔内でどんどん増殖して、将来的に虫歯になってしまうのです。

歯周病は早産のリスクを高める

早産

歯周病は早産になるリスクを高めると言われています。具体的には初産の場合、歯周病のない健康的な人の8倍もリスクが高まります。この数字はタバコやアルコールによる早産のリスクよりも、非常に高い確率です。

妊娠中の治療はできるの?

マタニティ診療

虫歯や歯周病は妊婦さん、ひいては赤ちゃんにも影響を与えてしまうものなので、早めに治療したいところです。しかし、治療に使う薬剤やレントゲン撮影などの赤ちゃんに与える影響が気になって治療を躊躇しているという人もいるでしょう。そんなときは、妊娠している旨を歯科医師に相談してみるとよいでしょう。

虫歯治療に使われる麻酔は、帝王切開をする際に使われる麻酔と同じものを使用していて、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。また、痛み止めなどの薬剤に関しても、歯科医師の判断で、赤ちゃんに影響を与えない量を処方されます。

レントゲンは歯科医院によってことなりますが、「デジタルレントゲンシステム」という通常の1/10の放射線量に抑えたレントゲンを採用している歯科医院もあり、ほとんど人体に影響が出ないほど、安全に撮影ができるようになっています。そのため、虫歯や歯周病になったとしても我慢せずに、歯科医に相談してみることをおすすめします。

妊娠する前に口腔内トラブルゼロにしておきましょう!

歯科医院

妊娠することで口腔内環境が変わり、さまざまなトラブルが発生する原因になるので、それらを回避するためにも、妊娠をする前からのケアを徹底して、虫歯や歯周病が起こらないようにしていくことが大切です。みなさんも普段の歯磨きなどに加え、定期的に歯科医院を受診し、妊娠をする前はトラブルゼロな口腔内を目指しましょう。

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