研磨剤不使用の歯磨き粉って何?そのメリットとデメリット
研磨剤フリーの歯磨き粉ってどんなもの?
研磨剤フリー歯磨き粉は、最近何かと話題になっていますが、一般的な歯磨き粉とは、なにが違うのでしょう? 研磨剤フリー歯磨き粉が登場する前までの歯磨き粉には「研磨剤」という成分が配合されていることが、ほとんどでした。これらの成分によって一時的には汚れは落ちますが、同時に歯の表面のエナメル質も傷つけてしまうので、より汚れが付きやすい歯になってしまいます。
一方、研磨剤フリーの歯磨き粉には、研磨剤の代りに「清掃剤」が配合されています。おもな成分は卵殻や重質炭酸カルシウム、ヒドロキシアパタイトなどです。そして、今までの歯磨き粉はペースト状になっているものが多かったですが、研磨剤フリー歯磨き粉は、ジェル状のものが多いです。
研磨剤フリーの歯磨き粉のメリットとは?
歯を傷つけない
研磨剤フリーという名の通り研磨剤未使用で、清掃剤という洗浄成分などが配合されているため、外側から歯を傷つける心配がありません。磨き方にもよりますが、研磨剤によりエナメル質が傷つくと、エナメル質の内側にある神経がだんだん露出してきます。神経が露出してしまうと水を飲むだけでも歯にキーンとした痛みを感じる「知覚過敏」になってしまう可能性もあります。逆に言えば、研磨剤フリーの歯磨き粉ならば、知覚過敏になるリスクを回避することができるというわけです。
炎症が起きていても使用可
歯や歯ぐきなどに炎症が起きている場合、研磨剤が配合されている歯磨き粉を使用してしまうと、その成分が刺激となり、炎症を悪化させる場合があります。しかし、研磨剤フリーの歯磨き粉なら、虫歯や歯周病などで歯や歯ぐきに炎症が起きている時でも、比較的安全に使用することができます。
研磨剤フリーの歯磨き粉のデメリットとは?
汚れが落ちないことがある
研磨剤フリーの歯磨き粉にもデメリットはあります。その多くは研磨剤入り歯磨き粉に比べ、洗浄力が弱いということが原因で発生します。例えばキャンディや加糖のドライフルーツなどの砂糖がビッシリと付いているお菓子を食べたとします。
これらの食べ物は非常に粘着性が強く、研磨剤入りの歯磨き粉でもしっかりとブラッシングを行わなければ、汚れは落ちません。粘着性の高い食べ物を食べた後に、研磨剤フリーの歯磨き粉を使用すると、歯に付いた汚れがあまり落ちていないことがあります。
歯が黄ばむ
コーヒーやタバコを口にすると、歯の表面にステインという着色汚れが発生します。研磨剤フリーの歯磨き粉には、清掃剤としてこの着色汚れを浮かせる成分が配合されている商品があります。しかし、ステインをしっかり落とすなら、やはり研磨剤には勝てません。そのためタバコやコーヒーが好きな人が、研磨剤フリー歯磨き粉を使用すると、着色汚れが落としきれずにあっという間に歯の黄ばみが目立つようになることも。
ブラッシングが苦手な人は研磨剤が配合されている方がいい?
研磨剤フリーの歯磨き粉は、歯を傷つけることはありませんが、やはりその洗浄力は、研磨剤には及ばないため、ステイン汚れなどが付きやすい特徴があります。適切にブラッシングを行えるという人ならば、研磨剤フリーの歯磨き粉を使用しても良いでしょう。しかし、ステインによって歯が黄ばみやすいという方は、研磨剤配合の歯磨き粉の力を借りるしかありません。ブラッシングを丁寧にできるという方は、研磨剤フリー歯磨き粉にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?