骨粗しょう症と歯の衰えの関係性とは?

2017.02.22 healthYUKI

骨粗しょう症とは?

杖

骨粗しょう症は50代以上の女性に多い病気で、骨密度が急激に低下し骨折するリスクが極端に高くなるものです。もちろん女性だけでなく男性も発症する可能性があります。骨粗しょう症の人が骨折する原因の多くは、足をもつれさせて転倒することですが、若年者であれば、骨折しても比較的簡単に骨が再生しますが、高齢者の場合は骨を回復させるのに時間が掛かります。すると、足の筋肉が次第に減少して立てなくなり寝たきりになることもあります。

さらに、立てなくなったことが精神的なストレスになって、うつ病などが発症するリスクも高くなり、最悪の場合、命の危険につながることもあるのです。

骨粗しょう症になると歯が衰える!?

欠けた歯

勘違いをしている人も多いですが、歯は骨とはまったくの別物です。骨はリン酸カルシウムなどにより構成されていますが、歯はエナメル質や象牙質などと言った成分で構成されています。また、骨の場合は折れたら再生をしますが、歯の場合は一度欠けてしまったら再生はしません。そのため、骨粗しょう症の影響を受けて歯がもろくなるということはありません。

しかし、歯は、歯の下の歯槽骨と呼ばれる顎の内部にある骨により支えられています。この歯槽骨は普段、歯周病を発症する以外では溶けることはなく、しっかりと歯を支える役割を果たしていますが、骨粗しょう症になることで骨である歯槽骨の骨密度が減少し、スカスカの状態になってしまいます。

すると、本来歯を支えているはずの歯槽骨は溶けて歯が抜けやすい状態になり、歯全体が衰え初め、歯周病の進行も通常に比べ早くなってしまうのです。歯周病と骨粗しょう症を両立して治療するのは、身体の負担になってしまうので避けたいところですね。

そんな骨粗しょう症は予防が非常に大切です。カルシウムやビタミン類をしっかりと摂取して、適度な運動を心掛けましょう。そうすることで、骨粗しょう症になるリスクを低くすることができます。

骨粗しょう症の薬で顎の骨が腐る

骨粗しょう症の治療には、BP(ビスフォスフォネート)という薬を使います。こちらの薬は骨粗しょう症に大変効果のある薬で、効果的に骨粗しょう症を治療することができます。しかし、BPは重篤な副作用を引き起こす可能性もあります。

その副作用とは「顎骨骨髄炎(がくこつこつずいえん)」というもので、顎の骨が腐り歯茎が広い範囲で、炎症を起こし歯がゆるんでしまう症状です。顎骨骨髄炎の初期症状は、骨折の時に出る症状によく似ていて、寒気や発熱などがあります。治療方法は抗菌薬液で病変部を洗い流し行います。

顎骨骨髄炎は比較的稀な病気ではありますが、慢性化する場合もあるので、早めの口腔外科で検査を受けましょう。

生活習慣を見直して骨粗しょう症を予防しましょう!

老夫婦

骨粗しょう症は腕や足だけでなく歯にも悪影響を及ぼす病気で、症状が進行すると歯を失う危険性もあります。また、骨粗しょう症の治療薬であるBPは重篤な副作用が出る可能性もありますので、使用の際はしっかりと医師の指示に従い服用するようにしましょう。

そして、もっとも大切なのは食事と運動です。一度自分の生活習慣を見直し、バランスのよい食事を摂れているか、適度な運動ができているかを確認し、できていないようであれば、しっかりと改善し骨粗しょう症になるリスクを下げる努力をしましょう。

あわせて読みたい

レコメンド

関連記事