片頭痛の正体は虫歯が原因?頭痛と虫歯の関係性
虫歯から副鼻腔炎になり頭痛につながる
虫歯を放置してしまうと思わぬトラブルを発生させてしまう可能性があります。そのひとつが「副鼻腔炎」です。副鼻腔炎は鼻腔の近くにある空洞のことで、この部分がウイルスに感染することで起こります。症状は鼻水・鼻詰まりなど、主に鼻に症状が現れますが、症状が進行してしまうと、中耳炎なども引き起こす可能性があるので、早めの対処が必要になります。その症状のひとつとして頭痛があります。
判断が難しい頭痛
副鼻腔炎での頭痛は通常の症状とは少し違い、頭のどこが痛いと断定するのが難しく、目やこめかみ辺りがズンと重くなったように感じるという特徴があります。
虫歯から副鼻腔炎になるメカニズムは、虫歯を放置することで、神経が破壊され。神経が破壊された歯の歯周ポケットから副鼻腔へと感染します。また、副鼻腔炎は虫歯だけではなく、風邪やインフルエンザなどでも感染し、炎症が慢性化してしまうと、合併症として中耳炎なども引き起こす可能性があります。
副鼻腔炎は、鼻腔に炎症が起こり、膿が溜まり、慢性的に悪臭がするので、もしも虫歯があり、鼻の奥の方から嫌な臭いを感じた場合は、早めの治療を心がけましょう。
虫歯から「緊張型頭痛」に
虫歯で歯が痛いときは、気づかないうちに虫歯になった歯をかばうように食べ物を噛んでいます。たとえば人間は硬いものを噛むときは一番力の入る奥歯を使って噛みますが、どちらか一方が虫歯になっている場合には、もう一方の奥歯で噛むという習慣がついてしまいます。
一時的に片側だけでものを噛む分には特に問題はありません。しかし、その状態が虫歯の放置により長期間続くことで「緊張型頭痛」を引き起こします。
緊張型頭痛とは?
緊張型頭痛は精神的ストレスなどで起こる頭痛ですが、身体的ストレスで起こる頭痛も緊張型頭痛と言われます。では、片側だけを使い食べ物を噛むことでどのようなストレスが加わっているのでしょうか?
人間は食べ物を噛むときに「咀嚼筋」という顎の筋肉を使い噛んでいます。片側の顎のみを使って食べることで、この咀嚼筋が片側だけ発達してしまい、左右の顎の筋肉のバランスが悪くなります。このバランスの乱れは肩や首に悪影響を及ぼし、常に肩や首が緊張している状態になってしまうのです。すると身体的に常にストレスが加わった状態になり、緊張型頭痛を引き起こす原因になります。この場合も虫歯が原因のひとつになります。早めに治して左右の顎でしっかりと食べ物を噛めるようにしましょう。
虫歯から脳静脈血栓症になり頭痛につながる
比較的まれな病気ではありますが、虫歯を放置することで「脳静脈血栓症」になる可能性があります。脳静脈血栓症は、脳の血管がつまり急速に脳がむくみ、脳出血を引き起こす病気で、軽い頭痛から始まり、症状が悪化するに連れて強い頭痛になり、嘔吐や痙攣などを引き起こします。また、最悪の場合は意識障害や昏睡状態になり命を落とす危険性もある恐ろしい病気で、その脂肪率はおおよそ30%と言われています。
脳は細かな血管が無数にあり、血栓を溶かす治療をするとさらに出血をしてしまうこともあり、脳静脈血栓症の治療は非常に困難です。さらに、頭痛が起きているのにそれを放置して、血栓が大きくなるに連れて手術成功の確率も低くなってしまします。
脳静脈血栓症は、虫歯を放置することで虫歯菌「ミュータンス菌」が血管に入り込み、血液を通して脳まで運ばれることが原因で脳に血栓ができてしまうので、絶対に放置してはいけません。また、脳静脈血栓症の場合は歯医者ではなく、脳外科を受診しましょう。
虫歯の放置は命に関わることもある!
虫歯は一見それほど危険なものではないようなイメージはありますが、放置することで頭痛を引き起こすだけでなく、命の危険を伴うこともありますので、放置はせずに早めに治療するのが望ましいです。みなさんの中に、もし虫歯を放置しているという人がいるなら、大きな病気になる前に早めの治療を心がけましょう。