舌が黒くなる病気「黒毛舌」とは?体力の低下が発症の原因?

2018.11.29 health小日向睦

黒毛舌の症状とは?

口を押さえる女性

黒毛舌の症状でもっともわかりやすいのは、肉眼でも確認できる舌表面の変色です。好発部位(病変が起こりやすい部位)は舌の中央で喉の奥に広がるように黒くなります。また、ただ舌の表面が黒くなるだけでなく、糸状乳頭が伸びたうえにその部分が黒く変色するため、舌に毛が生えたようにも見えます。黒毛舌の症状は黒くなるのが一般的ですが、濃度は人により異なり、褐色になることもあるそうです。

舌の表面が黒くなる症状の他にも、さまざまな舌の違和感を覚えるようになります。たとえば、何を食べてもまったく味がしなくなる味覚障害や、口臭の悪化などその症状には個人差があり、中にはまったく違和感を覚えない人もいるようです。

黒毛舌の原因とは?

ストレス

黒毛舌の原因として考えられるのは、糸状乳頭のターンオーバーの頻度低下。これにより黒い色素の原因であるカンジダ菌が増加し、硫黄化合物を生成します。すると血中のヘモグロビンと硫黄化合物が結びつき、舌に色がつきます。また、合併症として舌カンジダ症を引き起こすこともあります。

カンジダ菌が増加する原因は主に体力の低下です。仕事が忙しくストレスが溜まりがちな人は体力が低下しやすく、すると免疫力も下がります。免疫力は通常外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスを撃退する働きがありますが、免疫力が低下した場合、外部から体内に侵入する細菌の働きが活発化してしまいます。そのため、菌に感染しやすくなり、その後の発症も早くなるのです。

体力の低下以外にも抗生物質を長期間服用すると、黒毛舌になる可能性があります。これは長期的に抗生物質を服用することで体内の常在菌が減少し「菌交代現象」が起こることが要因とされています。

菌交代現象とは、通常では増殖することがなく体内に棲み着いていたとしても悪さをすることがない菌が、抗生物質を長期的に服用することで急激に増加する現象です。つまり、この菌交代現象でカンジダ菌の増加を招いてしまい、舌が黒くなることが考えられるのです。

色素の除去と予防による黒毛舌の対処法

色素の除去方法

デンタルケア

舌の表面についている黒い色素は、色素沈着しているわけではないので除去できます。色素の除去は、主に市販されている舌用のブラシを使って行いましょう。しかし、舌苔とは異なり、黒い色素を除去するのは困難で進行状態によっては完全には取り除けないこともあります。その場合、舌用ブラシでゴシゴシと力を入れて除去しようとすると舌を傷つけて症状悪化の原因になります。除去する際は十分に気をつけたうえで、医療機関のアドバイスのもとに行いましょう。

黒毛舌の予防

黒毛舌は抗生物質の服用をやめることで改善が見込めることがあります。しかし、抗生物質の服用がやめられない場合は、別の薬を処方してもらうことで症状が緩和することも考えられます。そのため、こちらもまずは医師に相談しましょう。また、口腔内の衛生状態が悪いと症状の悪化を招くため、舌の清掃や歯のブラッシングの徹底も大切です。とにかく口腔内を清潔に保つことを意識しましょう。

免疫力を高めて黒毛舌を予防しましょう!

睡眠

黒毛舌は免疫力が下がることで発症する可能性のある病気であり、免疫力が下がっていることを知らせるサインでもあります。免疫力が下がると舌カンジダ以外にも、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。そのため、黒毛舌を発症した場合、免疫力を高めることに努めましょう。そうすることで免疫力低下で発症する可能性のある病気のリスクを低減させることができます。医療機関で黒毛舌と診断された場合は、治療はもちろんのこと、十分な睡眠を取るなどして免疫力の向上を意識してみてください。

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