歯医者さんが嫌いな人におすすめ!?痛みがない「エアアブレーション」ってどんな治療?

2017.07.03 healthReiko Okabe

エアアブレーション治療ってどんなもの?

治療を受ける女性

「エアアブレーション」は、酸化アルミナ粒子という非常に細かな粉を圧縮した空気と一緒に高圧力で歯に吹きかけ、虫歯の部分を削る治療法(または治療機器)のことです。

ドリルを使った一般的な虫歯治療では、「キュイーン」というドリルのタービンが発する起動音や、ドリルの先端に付いているダイヤモンドの刃が歯を削る際に生じる振動があり、これを不快に感じる人も少なくありません。

しかし圧縮した空気と粒子を使うエアアブレーションなら、タービンの不快な起動音も歯とダイヤモンドの刃がぶつかり合う不快な感覚もありません。ミクロン単位で虫歯を削ることができるのも、エアアブレーションのメリットと言えます。

エアアブレーションのデメリット

エアアブレーションは痛みと恐怖感が少なく、ドリルを使った歯科治療が苦手な人にもおすすめの無痛治療ですが、デメリットもあります。

大きな虫歯の治療には時間がかかる

大きな虫歯の場合は治療に時間がかかるため、C1の「初期虫歯」のみの治療に限定している歯科医院も多くあります。歯科治療が苦手な人の場合、治療に対する恐怖感から虫歯を放置してしまい、進行してC2(エナメル質に達した虫歯)になってしまっていることも珍しくないと思いますが、そのような場合には適用されません。

奥歯の虫歯は治療できない

エアアブレーションの機器は、ノズルの先端から粒子が噴射できるような仕組みになっています。そのため「ノズルが届く範囲=治療適用範囲」ということになります。つまり、奥歯などのノズルが届かない部分は粒子を噴射できないので、治療が難しいと判断される場合があります。

バキュームの不快感はある

一般的な虫歯治療で使われているバキューム(治療中に出る唾液や削りカスなどを吸い込む機器)は、エアアブレーションでも使われます。エアアブレーションを用いると口の中が粉っぽくなり、また口を開け続けるので唾液が出てしまうため、どうしてもバキュームを使う必要があるのです。

バキュームを口の中に入れたままにしておくと、「ゴー」という不快な音とともに口内の粘膜を吸い続けられた状態になります。嘔吐反射が起きやすい人にとっては、この点もデメリットと言えるでしょう。

保険適用だが高額になることも…

歯科治療

エアアブレーションを使った虫歯治療には保険が適用されるので、一般的な歯科治療と変わらないくらいの費用で無痛治療を受けることができます。しかし、ドリルで削るよりも一回の治療にかかる時間は長くなり、とても細かな処置が求められるので歯科医師にとっても根気のいる治療と言えます。

そのため、自費診療としている歯科医院も少なくありません。自費となった場合の料金の相場は歯科医院によって差があるので一概には言えませんが、なかにはエアアブレーションと保険外CR充填で「50000円/1本」という歯科医院もあります。

痛くない治療法ではあるがデメリットも多い

エアアブレーションは一般的な虫歯治療よりも痛みが少なく、歯科治療が苦手な人でも楽に受けることができる治療です。しかし、痛みと精神的なダメージがないという部分を除けばデメリットも多く、「評価が分かれる治療法」と言えるかもしれません。

保険か自費かで費用が大きく変わることもあるので、しっかりと検討してから治療を受けるようにしましょう。また、エアアブレーションを使った治療はどの歯科医院でも受けられるというわけではありません。対応している歯医者が限られていますので、足を運ぶ前に一度問い合わせてみるとよいでしょう。

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