歯並びが悪いと、身体機能が低下してしまうって本当!?
歯並びが身体機能に悪影響を与える理由
歯並びの良し悪しは、身体のバランスに大きな影響を与えることがわかってきており、国際オリンピック委員会の調査でも、歯の噛み合わせと運動能力との関係性が認められています。
なかでも歯と関係性が高いのは筋肉です。人間は力を入れる際に歯を食いしばりますが、歯並びが悪いと思い切り歯を食いしばることができないため、最大限の力を発揮できないとされています。
また、噛み合わせが悪いと顎の位置が不安定になります。そうなると首回りや頭の筋肉が緊張し、肩コリや頭痛などを起こすこともあります。
その他、歯並びは呼吸とも密接に関係しています。たとえば、「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」や「開咬(かいこう)」などの不正咬合の場合は口呼吸になりやすい傾向にあります。とりわけスポーツをしている人の場合は、酸欠状態に陥る可能性もあり、十分なパフォーマンスを発揮できなくなる恐れがあるので注意が必要です。
歯並びの乱れは平衡感覚を狂わせる
平衡感覚は、スポーツをするうえでとても大切な能力です。主に自分の身体の位置や、重力に対する体のバランスなどを感知して、姿勢を調節する働きをしています。
この平衡感覚は、顎の関節付近にある「三半規管」により保たれています。歯並びが乱れると、噛み合わせが悪くなり、三半規管にも悪影響を及ぼすので平衡感覚が悪くなります。
スポーツは身体の重心移動が欠かせないので、三半規管が乱れるとパフォーマンスは自ずと低下してしまいます。
咀嚼が及ぼすよい影響3つ
身体機能の低下を防ぐには、歯並びが整った状態で噛むことが大切です。しっかりと咀嚼することができていると身体機能の低下を防げるだけでなく、運動能力がアップするとも言われています。
1.筋力伝達スピードが早くなる
歯並びがよいと上下の歯が噛み合った瞬間に、脳が体を動かすという指令を骨格筋などに伝える速度が上がります。これにより、瞬間的な筋肉のON・OFFが必要な短距離選手などの場合、大きな差が出るとされています。
2.バランス感覚が向上する
スポーツをするうえで欠かすことのできないバランス感覚は、「抗重力筋(こうじゅうりょくきん)」という身体のバランスを保つための筋肉の働きが大きく関係しています。抗重力筋の働きが安定していないと、姿勢が崩れたときに元の姿勢に戻すことが難しくなってしまいます。
この抗重力筋のひとつに、食べ物を噛むときに使う咀嚼筋(そしゃくきん)があります。つまり、よく噛んで食べることが、咀嚼筋を鍛え、結果としてバランス感覚を養うことにつながるのです。
3.集中力が向上する
歯並びが整うことで、よい影響が現れるのは筋肉ばかりではありません。整った歯並びでしっかりと咀嚼をすることは、脳の活性化につながり集中力が向上します。集中力は仕事や勉強をするときにも必要ですが、スポーツでも欠かすことができません。集中力を高めることで、相手の動きや味方の位置などさまざまな情報を取り入れることができるようになるので、パフォーマンスがグンとあがります。
歯並びや噛み合わせを整えてパフォーマンスを向上させましょう
欧米のトップアスリートを見ると、歯並びの悪い人はあまりいません。これは欧米では歯に対する意識が高く、歯のメンテナンスを日常的に行うことが浸透しているためです。最近では日本のトップアスリートでも歯並び悪い人はほとんど見かけなくなりました。
将来的にアスリートとして活躍したいという人や、身体機能を低下させたくないという人などは、歯列矯正を検討してみてはいかがでしょうか。