何度も口の中や舌を噛んでしまうことによる危険とは?
よく口の中や舌を噛んでしまう……その原因は?
口の中や舌を噛む原因と対処法
口の中や舌を噛む原因は、早口でしゃべっていたり、呂律が回らなかったりした際に不運にも噛んでしまったという事故を想像する方が多いでしょう。しかし、何度も同じ箇所を噛むなどの癖になっている場合は不運と片づけるのは危険かもしれません。そのため、癖になりかけている人は口の中や舌を噛む原因と対処法を把握しておきましょう。
原因1:ストレス
口の中を噛んでしまうもっとも多い原因がストレスの影響です。ストレスは心理的な負担が無意識のうちに溜まるもので噛む頻度が高まっている場合、ストレス過多の可能性が高いと言えるでしょう。ではなぜストレスが原因で噛むようになるのでしょうか?それは幸福物質とも呼ばれるセロトニンというホルモンが関係しています。
セロトニンはものを噛む際に分泌される物質で、セロトニンが分泌されると人間の心身は安定し、心が安らぎます。しかし、ストレス過多の状態ではセロトニンが極端に減少した状態が続くため、物を噛み、セロトニンの分泌を多くしようという働きかけが無意識に起こってしまうのです。
対処法
ストレスが原因になっている場合は、根源であるストレスを解消することで噛む頻度が明らかに減ります。ストレス解消法にはいろいろな方法があると思いますが、効果的にストレスを解消するならば運動が最適です。また、運動は屋内よりも屋外で行うジョギングなどが良いでしょう。
セロトニンの分泌は、日光を浴びることで活性化されます。そのため、屋外で日光を浴びながら運動をした方が、心身ともにリフレッシュしやすいと言えます。
原因2:疲れ
口の中でも舌を多く噛むという場合は、疲れが関係していることが考えられます。舌を動かすのは、舌根と呼ばれる口の中にある筋肉です。舌根は発音をする際に動きます。また、食べ物を口の中に運ぶ際に使用する筋肉です。疲れている場合はこの舌根の動きが鈍くなります。
これは実は、脳疲労が起きている証拠です。脳からの信号を正しくキャッチできていないため、誤って舌を噛んでしまうことがあります。特に「頭を使う仕事」をしている人は、常に大量の情報を処理しなければならないため、脳疲労が起こりやすいと言えます。舌を噛むことが頻発した場合は疲れの影響を疑ってみましょう。
対処法
脳疲労を回復させるためには、十分な睡眠が欠かせません。頭を使っていない状態でも人間は視覚的に大量の情報を脳が処理しているため、疲れます。そのため、脳を休める睡眠、中でもノンレム睡眠時(深い睡眠状態)は、完全に脳が休んでいるため、脳疲労を緩和させてくれることが期待できます。
原因3:噛み合わせ
歯並びが乱れていると、噛み合わせも悪くなります。噛み合わせが乱れると食事の際などに、物を噛み損じる危険性が高まります。すると、必然的に舌を噛む頻度が多くなります。そのため、歯列がキレイに整っている人の方が口の中や舌を噛んでしまうリスクは低いと言えるかもしれません。
対処法
噛み合わせの悪さを改善したいのであれば、歯列矯正が効果的です。矯正装置を歯に取りつけることで歯並びを改善します。治療に時間と費用はかかりますが、口腔内の審美性も機能性も高まることで、口の中を噛んでしまうことも少なくなるはずです。
慢性的な舌への刺激は口腔がんのリスクを高める!
口の中を噛んでしまうのが癖づいてしまうと、その刺激が原因で口腔がんを発生してしまうこともあります。口腔がんは主に先天性のケースや喫煙が原因で起こることが多いのですが、慢性的な口腔内への刺激でも、発症する恐れがあるため注意が必要です。
頻繁に口の中を噛んでしまうという人は、ダメージが蓄積して恐ろしい病気のリスクが高まるということを認識しておきましょう。また、心配な場合は口腔外科に相談しましょう。
口の中を噛む人は、まずはストレスの解消から
一見すると、たまたまのように思いがちですが、口の中を噛んでしまうのは精神的なストレスや脳の疲れなどが深く関係していることが多いようです。頻繁に噛んでしまう方は、「運がなかった」と思って気にしないようにするのではなく、今回紹介した対処法を参考に口の中にダメージを与えないように心がけましょう。