抜くだけじゃない!?親知らずの活用方法を現役歯科医が語る!

2017.01.27 medical歯科医師 吉用卓

抜かなくていい親知らずもある!?

食生活の中心がやわらかい食べものになった現代人は、総じて昔の人に比べて顎が小さくなったと言われています。そのため、お口の奥に親知らずが生えるスペースが足りず、横向きや斜めの状態で生えてきてしまうのです。

斜め
横向き

親知らずの多くは、こうした「正常でない状態」で生えてきます。そのまま放っておくと、痛みや腫れが出てくるため、抜歯が推奨されるというわけです。逆に言えば、お口の中にスペースが十分にあり、親知らずがまっすぐ正常に生えている場合は、抜く必要はありません。

ちなみに、横向きや斜めに生えた親知らずを抜いたほうがよい理由は、痛みや腫れだけではありません。まっすぐでない親知らずは、痛みや腫れの他にもさまざまな問題を引き起こすことがあります。

埋没

親知らずを放置するリスクとは?

私自身も、まっすぐでない状態で親知らずが生えている患者さんには、抜歯を推奨しています。それは、残しておくことで痛みや腫れの他にもさまざまなデメリットが生じてしまうためです。そのデメリットは大きく4つあります。

1.虫歯になりやすくなる!

奥歯は歯ブラシが届きにくいためプラーク(歯垢)が溜まりやすく、虫歯になりやすい歯です。ということは、さらに奥に生える親知らずは、より磨きにくい歯。しかも、横向きや斜めに生えているとなれば、一層汚れが溜まりやすくなって虫歯のリスクが高まることは言うまでもありません。

2.歯周病になりやすくなる!

プラークには、歯周組織(歯ぐきや顎の骨)に炎症を起こして溶かしてしまう「歯周病」の原因菌も潜んでいます。横向きや斜めに生えた親知らずを放置しておくことで、歯周病のリスクも高まってしまいます。

親不知

3.歯並びが悪くなる!

こすれあう歯

横向きや斜めに生えた親知らずは、成長しようとする力で隣の歯やさらに隣の歯をどんどん圧迫していきます。これは痛みの原因になるだけでなく、歯並びを悪化される原因にもなります。歯並びが乱れると今度は咬み合わせが悪くなり、顎関節症や全身の歪みなどにつながることもあります。

4.副鼻腔炎になることがある!

上顎に生えた親知らずの歯の根が、副鼻腔と近いところにある場合があります。このような場合に親知らずの虫歯や歯周病が進行すると、副鼻腔炎を引き起こすことがあります。

親知らずの意外な活用法

厄介者と思われがちな親知らずですが、場合によっては役に立つこともあります。

1.親知らずの移植

虫歯などで状態が悪化した奥歯の代わりに、親知らずを移植して活用することができます。これを歯牙移植と言います。

2.入れ歯やブリッジの土台にする

親知らずは大きい形状をしており、入れ歯やブリッジの土台に最適な歯です。将来、他の歯を失ってしまった場合に、その土台として活用することができます。

違和感がある場合は、歯医者さんに相談を!

多くの人は、成人するころになると親知らずが生えてきます。成人したあとに、奥歯のあたりに違和感や痛みを感じた場合、親知らずが原因になっている可能性があります。親知らずの生え方は人それぞれで、抜くか抜かないかの判断を個人で行うのは困難です。もし、奥歯のあたりに違和感を覚えた場合は、まずは気軽にお近くの歯医者さんに相談してみることをおすすめします。

ということで、今回は福岡県北九州市にある、ご家族みんなで通いやすいアットホームなひまわり歯科の吉用(よしもち)先生よりお答え頂きました。

ひまわり歯科

医療法人 徳和会 ひまわり歯科
〒806-0033 福岡県北九州市八幡西区岡田町12-16
TEL:093-632-6480

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