喫煙でインプラント治療が失敗するってホント!?
インプラント治療”について詳しく知りたい!
インプラント治療のメカニズム
喫煙が健康に及ぼす悪影響を説明する前に、インプラント治療のメカニズムから理解しましょう。インプラント治療とは、ケガなどで歯を失ったときに、替わりとなる歯を埋め込む治療のこと。本来歯を支えている顎の骨部分に、人工的につくられた歯根であるインプラントを埋め込み、その上から人工歯を固定します。つまり、顎の骨とインプラントを結合させる治療方法です。
抑えておきたい3つのポイント~メリットとデメリット~
メカニズムの次は、インプラント治療のポイントについてお知らせします。優れた特徴を持つインプラント治療ですが、デメリットも存在します。こちらでは両方の観点から、インプラント治療の3つのポイントを抑えておきましょう。
ポイント1:自然な仕上がりと噛み心地が得られる
インプラントには、天然歯とほぼ同じように噛むことができるメリットがあります。また審美性にも優れていて、天然歯との見分けがつかないほどの美しさです。
ポイント2:アレルギーが出にくい
インプラント治療で顎の骨に結合させる人工歯根はチタン製。チタンにはアレルギーが出にくくて、錆びにくい特徴を持った素材です。
ポイント3:身体に負担がかかってしまう
インプラントの素材には、身体にやさしいチタンを使用しています。でもインプラントを埋め込むには外科治療が必要なので、身体には負担がかかります。万が一、正しい角度でインプラントが結合できなければ、血管や神経などを傷つけてしまう恐れもあります。
喫煙でインプラント治療が失敗する原因に迫る!
原因1:唾液量の減少
喫煙することによって唾液の分泌量が減少します。唾液の量が減少している状態でインプラント治療を進めると、歯周病菌が増殖する原因となり歯周病が進行します。その結果、“インプラント歯周炎”を発症してしまうリスクが上昇します。
インプラント歯周炎になると最悪の場合、インプラントが脱落してしまうでしょう。喫煙者は、非喫煙者よりも2~6倍もインプラント歯周炎になりやすいと言われています。
原因2:骨や顎の血液が不足
ご存知の方も多いかと思いますが、タバコには“ニコチン”という成分が含まれています。ニコチンには血管を収縮させる働きがあるので、体内に侵入すると血流が悪くなります。この作用により、インプラントを埋め込んだ骨の部分や歯周組織などに、しっかりと栄養が行き届かなくなるので弱くなってしまうのです。
最悪のケースでは、「インプラントと骨が結合しない」「インプラントを埋め込むために切開した傷がふさがらない」などのトラブルに発展する可能性もあります。
原因3:免疫力の低下
私たちの身体には白血球という免疫システムがあるおかげで、さまざまな細菌から身体を守ってくれます。しかしタバコに含まれている有害物質の影響により、この免疫システムが一時的に機能低下を起こしてしまい、細菌の活動が活発化してしまいます。
身体に悪影響を及ぼす細菌はいくつもありますが、そのなかでインプラントに関係してくるのが“歯周病菌”です。喫煙によって免疫システムが弱まることで歯周病菌が増殖。その結果、インプラント歯周炎にかかるリスクが高まります。
酸欠状態
タバコに含まれている有害物質のなかに、一酸化炭素という物質があります。この一酸化炭素は、一時的に酸欠状態をつくり出す物質です。酸欠状態になることで免疫システムにも悪影響が及び、免疫力の低下を引き起こします。それはやがて、歯周病菌が増えて治療が失敗してしまうリスクへとつながります。
インプラント治療前は喫煙を控えましょう
このコラムでご紹介したように、インプラント治療期間中の喫煙はさまざまな悪影響を及ぼし、手術が失敗する危険性を高めてしまいます。これからインプラント治療を検討している方は、この機会に禁煙を試みてはいかがでしょうか? どうしても「禁煙は難しい!」という方に関しては、インプラント治療期間中だけでも何とか喫煙を我慢されることをおすすめします。