ガン化率が高い!口内炎にそっくりな紅板症にご用心

2017.01.15 health木村清良

口内炎に似た病、紅板症

紅板症の症状とは?

口内炎

紅板症の初期症状は、口内炎のようなぷっくりとしたできものができ、その部分が赤く変色し硬いしこりのようなものができるというものです。この症状は、口内炎にもよく似ていて、初期段階では気が付かないことも多いですが、口内炎が白いのに比べ、紅板症は赤く広がりを見せるという特徴があります。また、広がった部分にしこりができたようになるという特徴もあります。

紅板症を発症するのは、50~70代までの高齢者が多く、発症している人の約80%が50代以上です。口内炎とよく似ていますが、悪化すると命の危険性もある口内トラブルなので、いかに早く見分けることができるかが重要です。

また、紅板症は頬の粘膜や口蓋、歯肉、などさまざまな部位に発症することがありますが、もっとも好発する部分は舌です。舌は、口内炎もできやすい部分なので、舌に口内炎ができた場合、注意が必要です。

紅板症はガンになる確率が高い!

泣く女性

紅板症は、本来はガンではない細胞ですが、普通の細胞よりもガンに変化する可能性が高い「前癌病変」と呼ばれる粘膜疾患です。

前癌病変には、その他に白板症がありますが、白板症の場合、約5~20%がガン化する可能性があるのに比べ、紅板症の場合は約50%がガン化する可能性があります。

もちろん、ガン化してしまうと、他の臓器や血液などに転移する可能性も十分に考えられます。そのため、口内炎のような症状であっても、長く続くような口内炎の場合は注意する必要があります。

ガン化した際の症状には、さまざまなものがありますが、もっとも感じやすいのは患部のしこりが徐々に大きくなったことによる痛み。さらに、しこりが大きくなると、びらんなども発生し、しゃべることが難しくなったり、患部に潰瘍ができて、出血したりすることもあります。

ガンが進行した場合には、リンパに転移する可能性も考えられます。リンパに転移している場合、顎の下などに腫れが出ることもあります。この症状は通常のガンでも同じです。

紅板症の治療法と予防方法

手術

紅板症のもっともポピュラーな治療法は、外科的手術です。手術では、紅板症が出ている部分を切除します。通常のガンの場合は、腹部を切開してガンを摘出するため、非常に身体に負担が掛かりますが、紅板症の場合は、他のガンとは違い目視で確認できるので、身体への負担はあるものの、内臓などのガンに比べると、比較的簡単な手術になります。

手術することで、ガンに変化する前に患部を摘出し、ガン化を阻止します。しかし、前癌病変は、再発することが多いので、術後の経過を観察することが大切です。

紅板症は、舌への刺激により発生すると考えられています。そのため予防でもっとも大切なことは、舌を刺激しないこと。普段の生活の中で舌を刺激しやすいのは、アルコールや喫煙です。これらを控えることが予防につながります。

もし術後にも口内炎が発生し、治りづらいという口内炎だった場合は、すぐに口腔外科を受診しましょう。

ガン化する前に受診しましょう!

診療ユニット

いかがでしたか? 今回は、紅板症の症状や治療法、予防方法について解説をしました。紅板症はどちらかというと、発症することが珍しいという病気なので、普段から口内炎ができたからといっても過度に意識をする必要はありません。しかし、何となくいつもの口内炎とは違うと感じた際には、口内炎ではなく紅板症の可能性も考えられますので、そのときは、早めに歯科医院を受診するようにしましょう。

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