虫歯より深刻?歯を溶かす「酸蝕歯」とは

2018.03.13 healthオオタカ

酸蝕歯とは

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蝕酸歯とは酸性の飲食物などにより、歯のエナメル質がもろくなったり、溶けたりする症状を指します。蝕酸歯は進行が遅く、口腔内の広い領域で起こるので、虫歯や歯周病よりも深刻に受け止める歯科医師もいると言われています。

酸蝕歯とは

私たちの歯は表面が硬いエナメル質で覆われ、その下に象牙質、またその下には神経や毛細血管などの集合体である歯髄によって構成されています。表面にあるエナメル質は硬く、歯の内部を守ってくれていますが、酸に触れると溶けやすいという特徴があります。そのため、酸性の強い飲食物を長期間にわたり食べ続けていると、歯のエネメル質が溶けて酸蝕歯になってしまうのです。

酸蝕歯の症状

酸蝕歯になるといくつかの症状が現れます。エナメル質が溶けて薄くなったり象牙質がむき出しになったりすると、冷たい物や熱い物を飲食した際に歯がしみて痛みを感じるなど、知覚過敏の症状が出ます。また、歯の先端が透明になったり、歯の表面や角が丸みを帯び、歯の色からつやが失われ、黄ばんできたりすることもあるのです。

酸蝕歯の原因

酸蝕歯には酸性度の強い食品によるものや、逆流性食道炎などの胃酸が原因になることもあります。

原因1:酸性度の高い食品によるもの

酸蝕歯を引き起こす食品は炭酸飲料やワイン、柑橘類、スポーツドリンクなど、酸性度の高い飲食物があげられます。通常、食事の後は唾液の分泌により口腔内は中和されますが、酸性度の高い食品を長時間かけて食べていると、口腔内が酸性の状態の時間が長くなり、唾液の中和する力が追いつかず酸蝕歯になりやすくなります。

原因2:胃酸のよるもの

胃酸も酸蝕歯の原因として挙げられます。胃酸は、レモンなどの酸性度の高い食品よりも酸性度が高いのが特徴があり、逆流性食道炎によって口腔内に胃酸が上がってきたり、摂食障害などで嘔吐を繰り返していたりすると口腔内の酸性度が上がって酸蝕歯になるリスクが高まります。

酸蝕歯の予防法

予防法1:酸性度の高い食品を摂り過ぎない

酸性度の高い食品の過度な摂取は避けましょう。たとえば、炭酸飲料やワイン、ビール、酢などのほか、柑橘類、クエン酸などを含むスポーツ飲料などが挙げられます。こうした食品をダラダラと食べ過ぎないことが重要です。

予防法2:普段から食べ方に注意する

酸性度の高い食品には、肉類や米など私たちが健康を維持するために不可欠な食べ物も含まれます。大切なのは、普段から食習慣を意識すること。食事や間食の時間を決めて、長時間にわたって飲食するのは控えましょう。食後は、水やお茶を飲み、口腔内に留まる酸を減らすこともポイントです。キシリトールが含まれる無糖のガムなどを噛み、唾液の分泌を促すのも効果的です。

予防法3:胃酸過多などは医師の診察を

胃や食道に異変が見られる胃酸過多の場合は、医師のもとで適切な治療を受けてください。食事の際は腹八分目を心がけ、脂っこいものやお酒、たばこを控えるようにしましょう。別の病気が疑われることもあるため、気になる症状がある方は、医療機関を受診することをおすすめします。

予防法4:歯磨きは食後30分経ってから

虫歯予防のために、食後すぐ歯磨きをする方もいるでしょう。虫歯予防として歯磨きは効果的ですが、酸蝕歯の症状が見られる場合、食べた直後は唾液によるエナメル質の再石灰化がされていない状態のため、食後30分経ってから歯磨きすることをおすすめします。

炭酸飲料やワイン、ビール、柑橘類など特に酸性度の高い食べ物を口にした場合も、歯に負担をかけない30分後から歯磨きするようにしましょう。歯へのダメージを防ぐために、歯ブラシは柔らかめのタイプを、歯磨き粉は歯の再石灰化を促すフッ素入りのものを使用するのがおすすめです。

日頃からの生活習慣や食習慣に気をつけましょう

酸蝕歯は、日頃からの生活習慣、食習慣により予防することができます。酸蝕歯になり、歯のエナメル質が傷ついてしまうと自然治癒することはありません。知覚過敏の症状が見られたり、歯の色や形が気になったりする場合は、早めに歯科医院を受診してくださいね。

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