悪化の原因にもなる!?歯ぎしりと歯周病の関係性とは
知っておきたい歯ぎしりの3つの原因とは
歯ぎしりは、歯科用語で「ブラキシズム」と呼ばれています。上下の歯をギリギリとすり合わせたり、グッと力を入れて食いしばったりなど、人によって症状や程度はさまざまです。寝ている間にしているケースが多いですが、他にもスマホやパソコンを操作しているとき無意識に噛みしめることが癖になっていたり、スポーツなどで歯を食いしばることが多かったりする場合もあります。歯ぎしりの原因は、大きく分けて次の3つです。
原因1:ストレス
日常生活とは切っても切り離せないストレスは、歯ぎしりの最大の原因となります。精神的なものや肉体的なもの、環境的なものとさまざまですが、うまく発散できずにため込んでしまうと身体が緊張を起こし、無意識のうちに歯ぎしりとして表れてしまうのです。
原因2:噛み合わせが悪い
お口の中は常に変化が起きており、噛み合わせも徐々に変わっていくものです。特に虫歯の放置や歯周病、歯の治療などで短期間に噛み合わせが変わることもあります。するとその変化した噛み合わせをもとに戻そうとして、無意識に歯ぎしりをすることがあるのです。
原因3:悪習慣
いつも頬杖をついていたり、横向きでずっとテレビを見ていたりすると、片方の歯にばかり力が加わり続けて噛み合わせがズレることがあります。噛み合わせに悪影響を与えるような悪習慣は、改善することを心がけましょう。
歯周病の悪化にも関係する歯ぎしり
歯ぎしりは人によって程度や症状が異なりますが、いずれにせよ歯周病の悪化を招きます。通常、私たちが食事をするときの噛む力は男性で約60kg、女性で約40kgと言われていますが、歯ぎしりの際には2~3倍の力がかかります。そんな強い力が歯や歯ぐきに長時間かかり続けたら……間違いなく負担になるでしょう。
そもそも歯周病は、歯ぐきの中にいる歯周病菌が原因となる病気です。はじめは歯肉炎程度ですが、悪化すると歯周組織全体に炎症を起こして膿んだり歯を支える骨を溶かしたりします。それに歯ぎしりが加わると、症状は悪化する一方。歯ぐきのポケットがより深くなったり、歯を支える骨が吸収されたりするでしょう。歯ぎしりがひどくなればなるほど、歯周病も同様に悪化することが考えられます。
自覚のない歯ぎしり軽減させる方法とは
では、自覚なしにしてしまう歯ぎしりは、どのように予防すればいいのでしょうか。根本的な原因を解決することは難しいかもしれませんが、以下の4つの対策をとるだけでも、だいぶ軽減できる可能性があります。
対策1:マウスピースをつける
スポーツしているときや寝ている間の歯ぎしり・食いしばりは、自分の力ではどうすることもできません。その場合はお口に合わせたマウスピースを歯科医院で作ってもらい、必要な場面で装着するようにしましょう。
対策2:噛み合わせを調整する
噛み合わせに関して、きちんと歯科医院で診てもらいましょう。場合によっては歯列矯正が必要になるかもしれませんが、噛み合わせをしっかり整えることで食いしばりのリスクが軽減できます。
対策3:ストレスを自覚する
難しいことではありますが、まずは普段の生活で抱えているストレスを自覚しましょう。頑張りすぎず少し休んでみたり「なんとかなるだろう」と少し楽観的に考えるようにしてみたりして、肩の力を抜いてください。カウンセリングを行っている歯科医院もあるので、相談することもおすすめです。
対策4:よい姿勢で寝る
寝ているときのよい姿勢とは、上向きに寝たとき、立っているときのように背骨が適切なS字カーブを描いた状態です。この姿勢を保てば気道が開いて呼吸がスムーズになり安眠効果が得られます。体がリラックスすることで、歯ぎしりが軽減する可能性があります。
歯ぎしりが気になる場合はまず歯科医院で相談を
歯周病の悪化も招く恐れがある歯ぎしりは、早期に問題点を明確にして解消することをおすすめします。周囲に歯ぎしりを指摘された場合は、まずは歯科医院で口腔内の状態を診てもらったうえで、専門家の指導のもと対策をとっていきましょう。同時に歯周病も患っている方であれば、すぐさま治療に取り組むことが大切です。