「ボトックス注射」が歯科医院でも受けられるワケ

2018.03.28 beautyオオタカ

「ボトックス注射」のナゾに迫る!

ボトックス注射とは、筋肉をこわばらせている神経を和らげることを目的とした注射です。近年では加齢とともにこわばってしまった顔の筋肉を和らげるなど、「フェイスラインケア」としてボトックス注射が使われるケースが増えてきています。

そもそもボトックス注射ってナニ!?

ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出されたたんぱく質の1種です。ボツリヌス菌によって作られた毒素によって筋肉が麻痺してしまう病気(中毒)であるボツリヌス症をご存知の方は、それがフェイスラインケアに利用されていることに驚かれるかもしれません。

しかし、ボトックス注射で使用されるボツリヌス菌は非常に少なく、FDA(米食品医薬品局)で安全性が認可されるなど、健康に影響を与える心配はありません。

ボトックス注射の治療法

ボトックス注射は、美容外科や美容皮膚科などで受けられます。処置はボトックス注射を打つだけで、手術を受ける必要もなく、麻酔も必要ないなどごく短時間で終わり傷も残りません。

なお、ボトックス注射は保険適用外の処置です。治療を希望する際は、医師としっかりと相談し、納得したうえ治療することをおすすめします。

なぜ歯科医院での取扱説明書が増えているの?

ボトックス注射は、口元のエイジングケアの目的だけでなく、筋肉トラブル全般に対して用いられます。そのため、歯ぎしりや食いしばり、もしくはガミースマイルなどの症状がある方が受けるケースが増えてきています。

ケース1:歯ぎしりの治療

ボトックス注射には筋肉の動きを緩和する作用があるので、歯に力が入りすぎてこすれてしまう症状を防ぐことが期待できます。

現在の医療技術では、歯ぎしりを根本から解決し治療することは難しいとされていますが、ボトックス注射を使うことによって、症状を緩和することは期待されています。

ケース2:顎関節症の緩和

歯科医院の中には、顎関節症の改善を謳っている歯科医院もあります。歯ぎしりの治療同様、顎の噛み合わせ部分にボトックス注射を打つことによって噛む力を弱め、症状の緩和に貢献することができます。

顎関節症を治すことによって、自然な噛み合わせの治療を行うこともできます。

ケース3:睡眠障害やいびきの解消

口周りの筋肉を調整することによって、今まで起きていた睡眠障害やいびきの解消にもつながることもあります。噛むのに余計な力が入らなくなるので、肩こりの解消にもつながります。

ボトックス注射の3つの注意点

口周りの治療にも効果があるボトックス注射ですが、効果に期限があるなど注意すべきこともあります。実際に処置を受ける前に必ず確認しておきましょう。

注意点1:効果が現れるまで時間がかかる

ボトックス注射を打っても、筋肉の動きが抑制され効果が出るのに、ある程度の日数が必要になります。

人によって違いはありますが、たとえば顔のえらや足のふくらはぎの効果が目に見えるのは、注射をしてから1ヶ月程度かかります。また顔のしわに対するフェイスラインケアに関しても、変化の実感には週間程度かかります。

注意点2:効果は永続的ではない

ボトックス注射の効果は永続的に続くものではありません。ボトックス注射をしたからといって、筋肉の動きを完全に抑えることはできないからです。ボトックスの効果の持続時間は、顔のえらや場合で4~6ヶ月、顔のしわや筋肉緩和の場合で3~4ヶ月が一般的です。

ただし、ボトックスの効果は、筋肉量などの個人差も大きく影響します。なお、ボトックス注射は、回数を重ねるごとに持続時間が長くなるとも言われています。

注意点3:副作用がある

ボトックス注射は安全性が認知されてはいますが、副作用が起こることもあります。たとえばボトックス注射を打った際は、一時的にせよ、食べ物を噛む際に違和感を覚えたり、表情がこわばったりすることがあります。また、妊婦の方はボトックス注射を避けましょう。

口周りの筋肉系のトラブル解消のための使用を

美容外科のイメージが強いボトックス注射ですが、こわばった顔の筋肉を緩和することで口周りの筋肉系のトラブル解消も期待されます。歯ぎしりや噛み合わせで悩んでいる方だけでなく、肩こりや睡眠障害の解消などお困りの方は、ぜひ一度近くの歯科医院にボトックス注射のメニューがあるか確認してみましょう!

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