アスリートは歯が命!?「食いしばり」「歯ぎしり」による体への影響とは?

2018.03.26 healthミツキ

アスリートの「歯の食いしばり」

「運動能力を左右する」とも言われている、噛み合わせ。これはスポーツをする際に「しっかり噛む」ことで瞬間的に大きな力を発揮できるからです。噛み合わせが悪いと「しっかり噛む」ことができず、体のバランスにも悪影響を与えてしまいます。

特に強い力で噛むことが多いスポーツの場合、通常の2~3倍もの強い力で食いしばっていることがあります。一般的な人でも力仕事においては50~100kgの負担が奥歯にかかると言われており、日常的に体を鍛えているアスリートの「噛む力」はさらにそれを上回ります。

そのため、最近ではスポーツ中にマウスピースを使用するアスリートが増加中。ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツでは、衝撃から歯を守るマウスピースの使用率が非常に高い傾向にあります。マウスピースには「外的な衝撃から歯を守る」というほかに、「食いしばりや歯ぎしりの負担から歯を守る」という役割もあります。また、歯に合ったマウスピースを使用することで試合でのパフォーマンスが向上するとも言われています。

食いしばりによる肩こりや頭痛

私たちが普段、「食いしばり」を意識することはあまりありません。しかし、過度なストレスがかかったり、何かに集中していたりすると、気づかないうちに食いしばっていることも意外と多いのです。

長時間にわたって歯を強く食いしばっていると、顎の関節に負担がかかります。また、過度な緊張状態はあごだけでなく首や肩まで影響が及び、それが原因で肩こりや頭痛が引き起こされたり悪化したりしてしまうと考えられます。

歯の噛み合わせは全身のバランスに大きな影響を与える要素。頭痛や肩こりが気になる時には、歯科医院で歯を食いしばってないか、その影響のせいではないかを調べてみるとよいでしょう。

歯ぎしりがもたらす体への影響は?

寝ている時にギリギリと歯ぎしりをする――。自分ではわかりませんが、家族などから指摘されて気がつくことも多いですよね。就寝中は無意識なのでなかなか自分で改善するのは難しいものですが、歯ぎしりには次のようにさまざまなデメリットを招く可能性があることを覚えておきましょう。

影響1:顎関節症の原因になってしまう

顎関節症は、口を開けにくくなったりあごが痛くなったりするトラブルで、食事や会話がうまくできずストレスになってしまうことがあります。症状は個人差が大きく、重症の場合は日常生活に支障をきたすケースもあるので注意しましょう。

影響2:知覚過敏の原因になってしまう

歯に強い負担がかかると、表面のエナメル質が削れたり、割れてヒビが入ったり欠けたりすることがあります。こういった状態になると知覚過敏を招きやすく、ちょっとした刺激で鋭い痛みを感じてしまうようになります。

影響3:歯周病の原因になってしまう

歯周病の場合は歯ぎしりによって歯を支えている歯周組織に炎症が起こってしまい、症状を悪化させる原因になります。歯に強い力が加わることで歯根やその周囲の組織に負担がかかり、特定部分のみ骨が吸収されるケースもあります。

「食いしばり」「歯ぎしり」の対策

食いしばりや歯ぎしりは歯にダメージを与えるだけではなく、肩こりや頭痛などといった形で全身に悪影響を及ぼしてしまいます。ご自身でできる改善策としては、「できるだけリラックスした状態」をつくってあげることが大切です。

食いしばりによるダメージを軽減するには、「マウスピース」で歯を保護してあげるとよいでしょう。「アロマ」や「ゆっくりとした複式呼吸法」でリラックスして良い睡眠をとることが、歯ぎしりの改善につながることもあります。寝ている時の「食いしばり」や「歯ぎしり」は歯や顎に負担をかけてしまうので、お口にぴったりと合ったマウスピースで歯を守ってあげることをおすすめします。

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