歯にダメージを与えるブラキシズム(歯ぎしり)に要注意!

2017.11.24 healthオオタカ

ブラキシズムの3つのパターン

ブラキシズム(歯ぎしり)には、いくつかのパターンがあります。以下の3つのパターンを覚えておきましょう。

パターン1:グラインディング

就寝時に上下の歯をギリギリと強くこすり合わせるのがグラインディングで、ブラキシズムのもっとも一般的な症状です。起床時に歯や顎の周辺が痛かったりだるかったりする場合はグラインディングが疑われます。長期にわたってグラインディングが続くと、歯が欠損したり、顎関節症を招いたりすることがあります。

パターン2:クレンチング

クレンチングは「食いしばり」のことです。就寝中や日中、仕事をしているときなどに、無意識的に歯をグッと強く噛みしめる癖があると、歯や顎関節を傷める可能性があります。クレンチングは音も出ないので、グラインディング以上に無自覚な場合が多く、顎関節症を引き起こしやすくなります。

パターン3:タッピング

タッピングは上下の歯を「カチカチ」と鳴らすタイプのブラキシズムです。顎を傷めたり歯の摩耗・欠損などを引き起こしたりして、グラインディングやクレンチングと同様、顎関節症の原因になります。

:ブラキシズムの原因とは?

では、ブラキシズムはどのような原因によって引き起こされるのでしょうか?意外に思う理由があるかもしれませんが、ブラキシズムにはさまざまな原因が考えられます。

原因1:噛み合わせ不良

就寝中は無意識に呼吸がしやすい位置へと顎が動きますが、噛み合わせが悪い場合は、出張った歯を中心に「ギリギリ」とブラキシズムを起こします。天然歯だけでなく、詰め物や差し歯が合わない場合もブラキシズムの原因になります。

原因2:ストレスや疲労

ストレスや疲労が過多になると眠りが浅くなり、ブラキシズムを起こしやすくなります。また日中にストレスの影響でクレンチング(食いしばり)をする人も珍しくありません。

原因3:タバコの吸い過ぎやお酒の飲みすぎ

タバコ吸い過ぎやお酒の飲みすぎもブラキシズムの原因になるとされています。タバコやお酒の過剰摂取は身体的なストレスを与え、ブラキシズムを引き起こすと考えられているので注意が必要です。

原因4:逆流性食道炎

逆流性食道炎を患っている人の中には、ブラキシズムを併発している人も多いようです。「起きたときに歯や顎のあたりが痛い(だるい)」とお悩みの場合は、逆流性食道炎を疑ってみるのもいいかもしれません。

自宅でのブラキシズムの対処法

ではブラキシズムにはどのような対処法があるのでしょうか。ご自宅でできる対処法を以下にまとめてみました。

対処法1:ストレスを溜めない

ブラキシズムを予防するには、「ストレスを溜めない」ための工夫をしてください。特に就寝前にはできるだけリラックスするよう心掛けることが、予防につながります。

対処法2:自分に合った枕で寝る

あまり高すぎない、自分に合った枕で寝ることをおすすめします。また寝る際は仰向けに寝るよう心掛けてください。横を向いて寝ると、歯に過度な圧力がかかることがあります。

対処法3:タバコを止めてお酒は適量に

お酒がストレス解消に役立つという人も少なくないと思いますが、あくまで適量を心がけましょう。加えて、できれば禁煙をおすすめします。タバコとお酒は逆流性食道炎の原因の1つでもあるので、タバコとお酒を控えることは逆流性食道炎の改善にも役立ちます。

歯科クリニックでのブラキシズム治療法

ブラキシズムの症状がひどい場合は、歯科医院やクリニックの受診をおすすめします。治療方法はブラキシズムの原因によって違いますので、医師としっかりと相談のうえ、治療に取り組んでください。

治療法1:噛み合わせの調整

歯科医院で噛み合わせの調整をしたり、詰め物や被せ物の調整をしたりすることはブラキシズムの治療に効果的です。

治療法2:マウスピース療法

「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを就寝中に装着する方法です。ブラキシズムによる負担を和らげ、歯がすり減ったり顎関節を傷めたりするのを防止します。

治療法3:スプリント療法

「スプリント」と呼ばれる個人の歯型に合わせて作製したマウスピースを装着し、就寝時の歯ぎしりによる歯や顎関節、顎の筋肉への負担を軽減します。

治療法4:薬物療法

薬を使って噛み合わせの影響を受ける筋肉の緊張を緩めていきます。長期間使用することができないなどの欠点もあり、日本ではあまり一般的ではないようです。

痛みが出たら歯科医師に相談してみましょう

ここまでブラキシズム(歯ぎしり)について解説してきましたが、歯ぎしりや顎関節の不調は、歯科医院で治療できます。もし心当たりがある場合は、放置しておいても自然に改善されることはありませんので、早急に歯科医師へ相談することをおすすめします。

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