歯周病の痛みを軽減させるケア方法や自分でできる応急処置
歯周病で痛みがあるのはどんな状態?
歯周病にはいくつか段階があります。初期のころは歯ぐきが腫れたり赤くなったりする歯肉炎の状態。このころにブラッシングやフロスなどでしっかりケアすれば、健康な状態に回復することが期待できます。
しかし、そこから進行すると歯周炎という歯ぐきのポケットが深い状態になります。歯ぐきは赤く腫れ、出血もみられます。そして、さらに悪化すると赤黒くブヨブヨに腫れ、血や膿が出始めます。このころになって、ようやく硬い物を噛んだときなどに「あれ、なんだかまずいぞ」と痛みを感じ始めるのです。
歯を支える骨も溶け始めているので歯科医院での治療が必要になります。つまり、歯周病は痛みを感じるようになってからでは、すでに手遅れということになりかねない恐ろしい病気なのです。
こんなことに注意!歯周病を悪化させる要因
痛みの出てきた状態を悪化させないためには、どんなことに気をつければよいでしょうか。歯周病を悪化させる原因はいくつかあるので、当てはまるものがないかどうかチェックしてみてください。
タバコ
ニコチンが血管を縮ませてしまい、歯ぐきに栄養が行き届かなくなります。また歯周病菌と戦うための免疫力も弱まります。
不規則な生活
生活リズムが乱れて不眠になったり、ストレスがたまったりすると免疫力が低下します。また食いしばりや歯ぎしりにもつながり、歯や歯ぐきに負担がかります。
糖尿病
糖尿病の人は免疫力が下がり、歯周病菌への抵抗力が弱まります。反対に歯周病による炎症物質がインスリンの働きを妨げてしまい糖尿病を悪化させてしまうこともあります。
妊娠期、思春期、生理中の女性
この時期に多く分泌される女性ホルモンが、歯周病菌の増殖を促したり歯ぐきの炎症を悪化させたりすることがあります。
歯周病の痛みを軽減させるケア方法
歯ぐきに痛みがあると歯ブラシを当てることすら怖く、毎日のケアが辛くなってしまいますよね。でも、そこで何もしなければ歯周病はどんどん悪化します。歯科医院でポケットの中の歯垢や歯周病菌を取り除いてもらうことはもちろんですが、歯周病に適したセルフケアを実践する必要があります。歯科医師や歯科衛生士と相談したうえで、ご自身に合ったケアをしてみてください。
やわらかめの歯ブラシを使用する
歯と歯ぐきの境目に毛先がやさしく当たるようにして、ポケットの中もしっかり磨きましょう。ガシガシ磨くと歯ぐきを傷つけてしまうので、マッサージするように磨いてください。
デンタルフロスを使用する
歯ブラシだけでは、歯ぐきの中のほうの汚れまでかき出すことができません。デンタルフロスでポケットの中にたまったプラークや歯周病菌をかき出しましょう。ピンと張った糸ようじは歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあるので、手巻きのやわらかいフロスがおすすめです。
ひとまず自分でできる応急処置
どうしても歯科医院に行けない場合、ひとまず痛みだけでもなんとかしたいですよね。以下の自宅でできる方法を、ぜひお試しください。
痛みのある部分を冷やす
ほほ側から濡れたタオルやクールシートなどを当てて冷やします。直接冷やそうとして氷などを食べると刺激が強すぎるので、避けるようにしましょう。
鎮痛剤を飲む
ドラッグストアでも買えるロキソプロフェンを主成分とする鎮痛剤が、痛みを一時的に抑えるのに有効です。
うがい薬を使用する
殺菌作用のあるうがい薬を使用することで、消毒効果が期待できます。
歯周病の痛みを繰り返さないために
日本では成人の約8割が歯周病、もしくはその予備軍だと言われており、誰にとっても他人事ではない病気です。特に初期の段階ではなかなか気づかないので、毎日のケアでいかに予防していくかが重要と言えます。歯ブラシだけでは歯ぐきの中までキレイにしきれないので、「デンタルフロスを併用する」「定期的に歯科医院へ通い普段歯磨きで落としきれない汚れをクリーニングしてもらう」などセルフケアとプロフェッショナルケアを両立させながら、確実に予防していきましょう!