顎関節症の初期症状と悪化を防ぐための対処法とは?
あなたはどれに当てはまる? 顎関節症の初期症状
顎関節症は小さな異変を「まあ大丈夫だろう」と放置してしまうと、気づかないうちに一気に進行する恐れがあります。そのため、初期症状が現れた段階から意識しておくことが大切です。では初期に感じる症状とはどんなものなのでしょうか。以下に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
口を開けると顎のあたりで音が鳴る
口を開けたときにカクカクしたり、ミシミシ、ジャリジャリといった音を感じたりすることがあります。これは関節円板という組織のずれによるもの。関節円板は、耳の横の顎関節の動きを円滑にするクッションのような部分です。痛みを伴わないことが多いですが、口を開けるたびに音がするので自覚しやすい症状といえます。
口を開けると痛みを感じる
顎周りは咀嚼筋という筋肉で構成されています。この咀嚼筋に炎症が起こったり損傷してしまったりした場合、口を開けることで痛みを伴うことがあります。頬やこめかみのあたりが痛む場合もあります。
口が開きづらい
顎関節に問題がない場合は、口を開けたときに縦に指3本分が入ると言われています。ただし顎関節症による痛みや関節の異常がみられる場合は、指が2本程度、もしくはそれ以下しか入りません。
顎関節症の原因
顎関節症はいくつかの要因が重なり合って発症することが多いのですが、その要因は私たちの生活習慣に関わるものがほとんど。あなたはいくつ心当たりがあるでしょうか。
歯ぎしりや食いしばり
作業に熱中しているときや寝ている間に無意識に行う歯ぎしり・食いしばりは、顎の筋肉や骨に大きな負担がかかっています。これらの癖につながる根本的な原因はストレスだと言われています。
片方の歯ばかりで噛む
いつも同じ頬側で噛む癖を偏咀嚼(へんそしゃく)といいます。片方の顎の筋肉が緊張しているのに対し、もう片方は緩んでいる状態が続くので左右に歪みが生じてしまいます。虫歯や歯周病が原因で痛くて噛めないなどの理由から、こういった癖につながってしまうことがあります。
寝相や姿勢に癖がある
寝っころがりながらテレビを見たり、食事中に一定方向を見たりするのも顎に負担がかかります。またうつぶせで寝る、頬杖をつく、足を組むなども歪みの原因になります。
噛み合わせが悪い
歯並びの乱れや、治療による抜歯も顎関節がずれてしまう原因になり得ます。またこれらが偏咀嚼や歯ぎしりを引き起こす要因になることもあります。
顎を使うスポーツや趣味
ボールを蹴ったり、スタートダッシュをしたり重いものを持ち上げたりなど、スポーツで力を発揮する瞬間は歯をグッと食いしばります。また、バイオリンなどの顎で固定する楽器も顎関節に負担がかかってしまいます。
顎関節症を進行させないためにできること
生活習慣が大きく関係している顎関節症。できれば早い段階で歯科医院へ相談に行き、原因を探って解決していきましょう。また、日常生活で自身の癖を意識しながら過ごすことも症状の悪化を防ぐカギとなります。
偏った癖を治す
片方の歯ばかりで噛んでいたら両方で噛むように意識したり、テレビを横向きで見ていたらまっすぐ見る姿勢に変えてみたりするなど、偏りを調整することで歪みを予防できます。
マウスピースをつける
スポーツしているときや寝ている間の歯ぎしり・食いしばりは、自分の力ではどうすることもできません。その場合はお口に合わせたマウスピースを歯科医院で作ってもらい、必要な場面で使用するようにしましょう。体の緊張をほぐすため整体に通ってみるのもおすすめです。
噛み合わせを調整する
噛み合わせに関しても、きちんと歯科医院で診てもらいましょう。歯列矯正や治療のやり直しが必要になる可能性もありますが、しっかり整えておくことでリスクを軽減できます。
ストレスを自覚する
これが一番難しいかもしれませんが、まずはあなたが普段の生活でストレスを抱えていることを自覚しましょう。頑張りすぎず少し休んでみたり「なんとかなるだろう」と少し楽観的に考えるようにしてみたりして、肩の力を抜いてみてください。カウンセリングを行っている歯科医院もあるので気になる人は相談してみるのも1つの手です。
顎関節症の人は増えている!
顎関節症は20~30代の女性がなりやすいといわれていますが、その要因は紹介したようにさまざまです。ストレスにさらされることの多い現代では、誰にでも発症する可能性があります。きちんと自覚して適切な対処をしていきましょう。