虫歯と顎の関係性!放置すると顎関節症になる危険性が高くなる!?

2017.08.01 healthReiko Okabe

虫歯の放置で顎に痛みが出る原因

虫歯の女性

噛むバランスの乱れ

虫歯が原因で顎関節症になってしまうのは、虫歯が進行しているせいで歯や歯ぐきに痛みが出ているから。歯に穴が空き、歯髄が露出する食べ物を噛もうとしたときに神経に激痛が走り、無意識に虫歯の歯を避けるようにして別の歯で噛んでしまいます。この状態が長期間続くと咀嚼(そしゃく)のバランスが乱れてしまい、顎に大きな負担がかかることで徐々に顎関節症になってしまうのです。すると歯だけでなく顎にも痛みを感じるようになります。

骨髄炎

顎の付け根だけではなく、歯や歯ぐきに激痛が走っているような場合は、顎関節症以外の病気になっていることもあります。虫歯を放置しすぎると、顎の骨の“骨髄”と呼ばれる部分が虫歯菌に侵され、炎症が起き、化膿するという症状が現れます。骨髄炎は重症化しやすいので、早めに歯科医院を受診してください。主な症状として、発熱があります。高い熱が出ている場合は、顎関節症ではなく骨髄炎の可能性があるので注意が必要です。

顎関節症を放置すると?

開口障害

顎関節症の初期症状としては、顎の“カクン”というクリック音や、顎の付け根の痛みなどがありますが、そのまま放置し続けてしまうと開口障害が起こります。開口障害とは、口を開けようとしたときに、顎の関節が痛くて開けることができないというものです。このような段階に進んでしまうと、満足に食事を摂ることすら辛くなってしまうので、初期症状を見逃さずすぐに治療やセルフケアを行うことが大切です。

全身の違和感

開口障害をさらに放置し続けると、次に全身の違和感に変わります。頬の筋肉痛や、喉の痛み、肩こり、ヘルニア、腰痛など、身体のさまざまな部分に顎関節症の影響が現れ始めます。

顎関節症の痛みをやわらげる対処法

首に手をあてる女性

虫歯が原因なら早急に治す

虫歯が原因で顎関節症になってしまった場合に、もっとも早急に行わなければならないのは、虫歯の治療です。根本的な原因を取り除かない限り、改善は難しく、悪化するばかり。なるべく早めに虫歯の治療を行ってください。

鎮痛剤を服用する

顎関節症による痛みが強く出ている場合は、一時的な対処として鎮痛剤を服用しましょう。市販薬でもいいですが、歯科か口腔外科で処方してもらうと安心です。ただし、痛みがあるということはある程度症状が進んでいます。鎮痛剤の服用は一時的に痛みを感じなくさせているだけで、根本が治っているわけではありません。詳しく検査してもらい、一日でも早く本格的な治療を受けましょう。

患部を冷やす

すぐに痛みをやわらげたいけど、鎮痛剤が手元にない場合は冷湿布や保冷剤などで患部をなるべく冷やしてください。炎症を起こしている部分を冷やすことで血液の流れを穏やかにして、痛みを緩和させることができます。しかし、慢性的に痛む場合は温めたほうがいいこともあるので、早めに歯科医院を受診しましょう。

マッサージをしたり、低周波治療を受けたりする

顎関節症の根本的な治療には、運動療法やスプリント療法、薬物療法など、いくつもの治療法があります。低周波治療もその中の一つ。特殊な機械を用いて顎の筋肉に低周波を流し、緊張した筋肉をほぐしていきます。緊張を解くことで、顎の動きがよくなり痛みが緩和されます。顎周りを優しくセルフマッサージして血行を促すのもよいでしょう。

虫歯を放置しすぎないことが重要です

虫歯による痛みがそれほど現れていない初期段階では、つい放置してしまいがちですが、放置することで、顎関節症になり全身症状が現れる危険性もあるので、なるべく放置しすぎないことが重要です。

定期的に検診を受けたり、痛いなと思ったら早めに歯科医院を受診し、悪化する前に虫歯の進行に歯止めをかけましょう。すでに顎の痛みが出ているという人は、早めにかかりつけの医師に相談してみてください。

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