多忙な時ほど要注意!ストレスで悪化する歯周病
ストレスと歯周病の関係
歯周病はお口のケアが行き届いていないから悪化するものだと多くの方がそうお考えだと思います。ところが、原因はそれだけではないのです。実はストレスも歯周病を悪化させる大きな原因の1つ。私たちの生活に適度なストレスは必要ですが、大きな負荷がかかったりその状態が長く続いたりすると体に不調が表れます。それはストレスにより副交感神経と交感神経のバランスが乱れ、免疫力の低下を招いてしまうからです。
免疫力が低下すると体がウイルスや菌に弱くなり、風邪などをひきやすくなります。歯周病も歯周病菌による感染症なので、例外ではありません。免疫力が低下していると、歯周ポケットに潜む歯周病菌が歯ぐきに悪さをしやすくなります。そのため、ストレスがたまって疲労状態になると歯周病の症状が悪化してしまうのです。
歯周病が悪化する症状とは?
ストレスにさらされると、体にはさまざまな不調が表れます。不眠や頭痛などは自身でも気づきやすいですが、中には自覚しにくいものも。以下のような症状は、自覚しにくいうえ歯周病によくない影響を与える恐れがあります。
症状1:免疫力の低下
ストレスや疲労は免疫力を低下させます。ストレスにより免疫力が低下すると、口の中のパワーバランスは崩れ、虫歯菌や歯周病菌が一気に暴れ出してしまいます。すると少しの刺激で歯ぐきから出血したり、赤く腫れたりといった症状が出てきます。もともとこれらの症状を放置していた場合は、さらに悪化して痛みや膿が出てきてしまうこともあります。
症状2:食いしばりや歯ぎしり
ストレスを感じると、無意識のうちにグッと歯を食いしばったり寝ている間に歯ぎしりをしてしまったりすることがあります。これらの症状によって歯や歯ぐきにはかなりの力が加わります。そのため歯周病の症状が悪化しやすく、すでに歯を支える骨が吸収されている場合は歯がグラグラになってしまう恐れもあります。
症状3:唾液の減少
唾液には口の中の細菌の増殖を抑えてくれたり、プラークをつきにくくしてくれたりする大事な働きがあります。ところが、ストレスにより交感神経が優位になると唾液の分泌量が減少。すると歯周病菌が増殖しやすい環境となり、歯周病の症状も悪化してしまいます。
免疫力をアップさせるために
歯周病が悪化したからといって、すぐにストレスをすべて解消することは難しいでしょう。そのため、普段から免疫力を鍛えておくことで、ストレスに負けない抵抗力をつけておくことをおすすめします。免疫力をアップさせるためには以下の内容を実践することをおすすめします。
その1:バランスのよい食生活
添加物や化学調味料をなるべく控え、食物繊維やミネラルを含む食材を積極的に摂るようにしましょう。また、納豆やキムチなどの発酵食品は腸内環境を改善し、免疫力アップを助けてくれます。
その2:習慣化できる運動をする
ウォーキングや寝る前のストレッチなど、簡単に取り入れられる運動を毎日少しずつ行って体温を上げることがおすすめ。体温が1度上がると、免疫力は一時的に5~6倍アップするとも言われています。
その3:質の良い睡眠をとる
安眠することは自律神経のバランスを整えるうえでとても重要です。夜更かしや寝る直前の飲食は避け、入浴で体を温めたりアロマをたいたりして良質な睡眠がとれるような工夫をしましょう。
その4:ツボ押しで免疫力アップ
“足三里”と呼ばれる膝から指4本分下にある場所は、腸内環境を整えるツボです。免疫細胞の約70%は腸内にあると言われているので、ツボを刺激することで免疫細胞を活性化できる可能性があります。
疲れているときほどお口の中のチェックを
忙しいときはお口の中が変化を起こしがちですが、ケアやチェックを後回しにしがちです。しかし、歯周病はちょっとした変化に気づかずに放置していると、悪化を招いてしまう恐ろしい病気であることを忘れないようにしましょう。疲れているときほど何か体に異変はないかを意識し、早めに対処するようにしましょう。