子どもの虫歯菌感染を防止するために親御さんができること

2017.11.12 health福本春香

虫歯は感染症であることを知る!

赤ちゃんにキスをすると虫歯菌が移ると言われているように、虫歯は人の口から口に細菌が移動することで原因となる感染症です。人の口の中にはたくさんの細菌が棲みついていますが、中でも虫歯の原因となるのは2つの菌の存在です。

・ミュータンス菌
口腔内に入ってきた食べ物の糖分をエサとして、歯を溶かす酸をつくりだします。

・ラクトバチラス菌
ミュータンス菌が酸で溶かした虫歯の中に入り込み、さらに症状を拡大させます。

子どものころに何らかの経路でこれらの菌に感染してしまうと、虫歯になるリスクが発生します。また、感染する時期が早ければ早いほど、口腔内の虫歯菌は増えやすく虫歯のリスクが高まると言われています。

感染経路を断つ!

虫歯が感染症であるということが知られるようになった今、その感染経路に気をつけようという考えがどんどん広まっています。では実際にお子さんと接する時、周囲の大人はどんなことに気を配ればいいのでしょうか。虫歯菌の感染経路を断つためのポイントは、特に赤ちゃんの時期に次のような行動に注意することです。

同じスプーンや箸を使わない

大人が使った食器に付着した虫歯菌が、お子さんにも間接的に移動してしまいます。コップやペットボトルを回し飲みするのも危険です。

フーフーして冷まさない

こんなことで!?と思われるかもしれませんが、食べ物を冷ますためにフーフーと息を吹きかけるだけでも、虫歯菌を含む唾液が飛んでしまう恐れがあります。

お子さんの手をなめない

お子さんの手が食べ物で汚れたときペロッとなめてしまうと、虫歯菌が付着。その手をお子さん自身が口に入れると感染してしまいます。

家族で虫歯予防に取り組む!

虫歯菌をお子さんにうつさないことは予防の基本です。でもあまりにも感染経路を気にし過ぎても疲れてしまうし、100%防ぐのは難しいことですよね。そこで大切なのが、まずは家族全員のお口の環境を改善すること。周囲の大人のお口から虫歯菌が減れば、それだけお子さんに感染するリスクも減らせます。気兼ねなくスキンシップがとれるよう、以下のことに家族で取り組んでみましょう。

虫歯や歯周病があれば治療する

当たり前のことですが、パパやママのお口に虫歯や歯周病があれば、それだけ感染のリスクが増えます。疑いがある場合はきちんと歯科医院で治療を受け、再発することのないようセルフケアを見直しましょう。

定期的なメインテナンスに通う

家でブラッシングを頑張っても、落としきれないプラークがあります。そのため、定期的に歯科医院でプロのクリーニングを受けるようにしましょう。その際、歯科衛生士が磨き残しを指摘してくれたり、ワンタフトブラシやフロスを使用したケア方法を教えてくれたりするので、参考になるはずです。

キシリトールを食べる

キシリトールは、虫歯の原因となる虫歯菌を減らしてくれます。また菌の性質を虫歯のリスクが低い善玉菌に変えてくれるので、お子さんの口に移ってしまっても比較的安心と言えるでしょう。

食事やおやつは規則正しく!

お子さんの食事の時間がバラバラだったり、おやつをダラダラと長時間食べたりしてしまうと、口の中が酸性の状態が続きます。それは虫歯菌にとって活動しやすい環境。どんどん繁殖し、酸を出して歯を溶かしてしまいます。

そのため、食事やおやつは毎日時間を決め、その時間に終わらせるようにしましょう。食べた後にすぐ歯磨きできないという場合は、口の中をゆすいだりキシリトールを食べたりすることをおすすめします。

お子さんが健康な歯を維持できるように

パパやママが頑張って虫歯予防に取り組めば。お子さんにもその意識が伝わります。小さいころから正しい知識や習慣が身につけば、お子さん自身が大人になったとき自分の歯を守ることにもつながりますよね。それは親から子への最高のプレゼントになります。虫歯は感染症であることを意識して、家族みんなでできることに取り組んでいきましょう。

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