将来の子どものためにデリケートに行いたい妊娠中の歯の治療

2017.08.08 healthマコ

かかりつけ産婦人科医に確認するのが安全

妊娠中の歯科治療については、一部制限がある場合もあります。まずはかかりつけの産婦人科の医師に相談し、歯科の治療を受けることに問題がないかどうかを確認してみましょう。治療が可能と判断されたら、歯科医師にもその注意点などをしっかり伝えましょう。その条件のもとで、歯科医院で可能な治療が行われることになります。

また、つわりがきつい、辛い体勢があるので配慮してほしいなど、自身の状況をできるだけ詳細に伝えることで歯科医師の方も状況を踏まえたうえで治療が行えるでしょう。

歯科治療に適した期間はある?

一般的に妊娠期間は約10ヶ月間となりますが、妊娠初期の2~3ヶ月くらいまでは流産のリスクが高い時期とされています。そのため体に負担のかかる大がかりな治療は避ける方が望ましいでしょう。歯科医師の判断にもよりますが、この時期の治療については軽微なものに留め、大きな疾患については応急処置に留めるなどの配慮がされることがあります。

一方、妊娠5~8ヶ月あたりは安定期に入り、流産のリスクは減少します。この時期に治療をするのがもっとも好ましいとされています。そのため、妊娠初期に行った応急処置の続きをしたり、この時期までに治療の開始を伸ばしたりすることが検討されます。妊娠期間と治療が必要な疾患を見て、いつ治療を始めるのが良いのか、どの程度の処置を施すか、出産間際に症状が悪化して困ることにならないのか、などを歯科医師が考えて治療プランを立ててくれるでしょう。なお臨月に入る妊娠9ヶ月以降は負担が大きいので治療は控えるのが安全とされています。

治療による胎児への影響が心配……

妊婦さんは、お酒やたばこなど嗜好品だけではなく、よく使われる頭痛薬なども使用を控え、できるだけ胎児に影響がないように配慮する必要があります。そのため、歯科治療で使われる薬剤などについても心配になるのは当然ですね。まず、治療に使用する麻酔剤は局所麻酔を用いるので、胎児への影響はほとんど心配する必要はないでしょう。

痛み止めの使用は控えるべきですが、医師の判断で最低限の使用を許可することもあります。また、治療に先立って患部のレントゲン撮影をすることがあります。レントゲンと聞くと真っ先に放射線による悪影響をイメージしてしまうかもしれませんが、歯科医院で使用するレントゲンは人が自然環境で受ける放射線量と比べてもごく微量です。さらに腹部に当てることはありませんので、胎児にも特に影響はありません。心配な場合は、X線を遮断する防護エプロンをお腹にかけることもできるので、歯科医院で聞いてみてください。

口内環境が悪化しやすい妊婦さん

妊娠してから歯科医院に通う必要がないように、妊娠前から定期検診を受け、またホームケアでしっかりと虫歯や歯周病を予防しておくことが重要です。しかし、いざ妊娠した際には環境の変化から口内環境が悪化しやすくなります。つわりがひどいと歯磨きが億劫になってしまうこともあるでしょう。

また、食欲の強さや頻度も変化して、間食をよく摂るようになると、せっかく歯磨きをしてもすぐに汚れてしまます。さらに妊娠中は、女性ホルモンの量が増えるので、口腔内の細菌には女性ホルモンを好んで栄養にする細菌も存在します。そのため、細菌が増殖しやすい環境に陥ることがあります。妊娠しても口腔内の清掃を心がけ、歯科医院にかからなくてもよい口腔環境を整えていきましょう。

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