矯正専門医が語る「女性の結婚式・出産前の矯正について」

2017.06.23 interviewHa･no･ne編集部

「人生の大切なタイミングで矯正装置を無理につけることはない」

歯並びや噛み合わせなどの治療で来院される20～30代の女性の患者さんは、多くのお悩みを抱えているケースがほとんどです。その中でも多くいただく内容は、「結婚式や出産の前でも歯の矯正治療はできるのか？」というご質問です。

多くの患者さんが、矯正治療をしたいのだけれども結婚式や出産を控えているため、ためらっていることがよくわかります。結婚式前に矯正治療を行う際のお悩みとしては、「矯正装置の見た目に対して抵抗があること」に尽きます。「結婚式で矯正装置が見えるのはイヤ」と考えるのはごく自然なことなのです。

見た目を気にして矯正治療をあきらめてしまっている方は少なくありません。しかし、最新の矯正治療では、矯正装置を取りつけた後でも外すことができます。

当院では、結婚式や短期留学などで一時的に矯正装置を外す患者さんも珍しくありません。「外したい場合は、外すことができます」と事前に説明もしています。一時的に矯正装置を外したことによって、治療期間が予定よりも少し延びてしまうこともありますが、「人生の大切なタイミングで無理につける必要はない」と私自身は考えています。

また、出産を控えている患者さんからは「妊娠中に矯正治療を行うと、赤ちゃんに悪い影響を与えないか？」というご質問をよくいただきます。実は矯正治療が妊娠や出産にあたえる影響は軽微なものなので、ほとんど心配はいりません。

むしろ、矯正治療の進捗を確認するために毎月の定期検診を行うので、お口の中を綿密に確認することになります。そうすることで妊娠に伴う免疫的な歯肉炎などの予防や早期発見にもつながるのです。むしろ、妊娠中の患者さんが注意すべき点は、投薬やレントゲン撮影でしょう。そのため、当院では出産や授乳終了後に行うことを推奨しております。

妊娠や出産は、女性のライフイベントにおいて、もっとも身体と心を整える必要がある期間です。その大切な期間でも矯正治療は可能であり、生まれてくるお子さんはもちろん、ご自身の身体にも悪影響を与えることはほとんどありません。当院で妊娠中に矯正治療を受けられた患者さんは皆、快適に出産を乗り越えています。