鼻の病気「蓄膿症」が口臭の原因になるってホント!?

2017.01.02 health栞子

蓄膿症とはどのような状態か?

鼻風邪

蓄膿症は、鼻の副鼻腔という部分に炎症が起こり、膿が溜まる病気です。この膿はなかなか外に出すことができず、鼻水や鼻づまりを併発します。すると集中力の低下や倦怠感、呼吸しづらいといったストレスも引き起こし、全身に影響を及ぼします。

蓄膿症にかかってしまうおもな原因は、鼻の粘膜系の免疫機能が乱れること。そのほかにも、虫歯や歯周病などが悪化し、それらの原因菌が鼻腔につながる上顎に感染することでもかかります。このほか、アレルギー性鼻炎による慢性的な鼻づまりが発展し、蓄膿症になることも少なくありません。

蓄膿症が原因で口臭が発生する!

鼻をつまむ女性

蓄膿症と口臭は、一見あまり関係がないように思えますが、蓄膿症にかかることで口臭を悪化させてしまうことがわかっています。これには2つの原因があります。

1つは、副鼻腔の炎症によって鼻の奥に膿が溜まることです。膿は私たちの体内に存在する不要なもの(細菌や壊れた白血球)を、外に排出する役割を持っていますが、この膿がとても臭いのです。例えば軽度ならニラやニンニクのような臭いがしますが、重度になると、まるでドブや生臭い腐敗臭と言えるでしょう。また、膿から起因している口臭はとても厄介で、自分より他人の方が、臭いを強く感じている可能性が高いのです。

もう1つは、鼻が詰まっていることで口呼吸になるという点にあります。口呼吸は口臭を発生させる代表的な原因の一つです。口呼吸によって、口がいつも半開きの状態になります。すると口腔内が乾燥し、唾液が減少してしまいます。この唾液の減少が口臭を悪化させる原因です。なぜなら、唾液には口腔内をきれいにする自浄作用があり、殺菌力もあります。しかし、唾液が少ない状態では、口内をきれいにすることはできず、悪玉菌が急激に増加します。するとそれらの細菌が悪臭を放つようになるのです。

口臭改善には治療が必要

蓄膿症が原因で口臭が発生している場合は、蓄膿症自体の治療が必要不可欠になります。蓄膿症の治療には、「抗生物質の服用」、「漢方薬」、「手術」と3つの方法があります。

抗生物質の服用

薬

蓄膿症の治療には抗生物質を用いることがほとんどです。抗生物質は副鼻腔内で繁殖している菌を殺菌する薬です。副作用も比較的少なく耳鼻咽喉科などで処方されます。炎症がひどい場合は、抗生物質と合わせてステロイドを使うこともあります。

漢方薬の服用

漢方

東洋医学では、蓄膿症の治療に漢方薬を使用します。慢性的な症状が出ている場合、「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」という漢方薬を、処方されることがあります。漢方薬による治療には即効性はありませんが、抗生物質やステロイドなどに比べて体に優しいので、ケミカルな薬品を服用できない妊婦さんにもおすすめできる場合もあります。

外科手術

オペ

蓄膿症があまりにも重症化している場合は、手術を行います。悪化によってポリープができていることがあるので、まずポリープを取り除く手術などを行い、完治するまでに数週間かかります。術後の生活に支障はありません。

口臭が改善できなかったら病院に行きましょう

蓄膿症が原因で、口臭を発症していることがあります。口臭にはさまざまな原因があるため、セルフケアをしてもなかなか改善できないことがあります。虫歯や歯周病が原因なら歯医者へ、蓄膿症などのお鼻の病気が原因なら耳鼻咽喉科へ、と正しい病院への受診が必要です。

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