舌にできたブツブツの正体とできたときの対処法について

2017.08.17 healthReiko Okabe

舌にできたブツブツの正体

舌にブツブツができるワケとは？

口内炎

舌にできるブツブツの代名詞とも言えるのは、口内炎でしょう。誰にとっても身近な病気ですが、実はたくさんの種類があります。

・カタル性口内炎
カタル性口内炎は主に、入れ歯や矯正器具などが舌に接触していて、物理的な刺激を与えていることが原因で起こる口内炎で、潰瘍はできませんが、食べ物や飲み物がしみることがあります。

・アフタ性口内炎
アフタとは、潰瘍のことを指します。つまり、潰瘍ができる口内炎がアフタ性口内炎。詳しい原因はわかっていませんが、主にビタミン不足による免疫力の低下で、細菌が増殖し炎症を起こすことだとされています。

・ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎は、その名の通り、ヘルペス菌が原因で起こる口内炎です。水疱ができる特徴があり、破れると痛みを伴います。

・カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎は、カンジダというカビの一種が原因で起こる口内炎ですが、エイズなどの免疫不全が原因で引き起こされている可能性もあります。乳白色の膜ができます。

有郭乳頭“（ゆうかくにゅうとう）”

有郭乳頭は舌にある乳頭の一つで、舌の根元部分あるので見づらく、普段はほとんど目視することはできませんが、思い切り舌を突き出せば見えます。

乳頭の中ではもっとも大きく、風邪をひいたときに喉に痛みを感じて、存在に気づいてしまうことが多く、その大きさに驚いてガンなのではないかと疑ってしまう人がいますが、正常な組織なので、特に心配はいりません。

しかし、舌の根元付近に強い痛みを感じる場合は、舌表面が病変してイボのようになることがあります。

舌扁桃“（ぜつへんとう）”

舌の根元付近には、舌扁桃があります。舌扁桃は扁桃腺と同じ役割がある部分です、扁桃腺と同様に、体調トラブルで腫れると大きめのブツブツとしたできもののようになります。これは舌扁桃肥大という症状の可能性があります。

舌扁桃肥大の原因は、主にインフルエンザウイルスや、肺炎球菌、ブドウ球菌などが原因で粘膜に起きる炎症です。また、更年期障害や自律神経失調症などで悪化することもあります。

触っても痛くありませんが喉に食べ物がつかえたような違和感があり、睡眠時無呼吸症候群にもなりやすいのが特徴です。

溶連菌感染症“（ようれんきんかんせんしょう）”

舌の表面が白いイチゴのようになっている場合は、溶連菌感染症の可能性が高いと言えるでしょう。溶連菌感染症は舌の乳頭が赤くなり、白い苔のようなものが出現し、発熱や喉の痛み、嘔吐などの症状が現れます。2～10歳までの子どもに多く、成人してからは発症しにくい傾向にあります。

また、合併症として溶連菌感染後急性腎炎やリウマチ熱、血管性紫斑病などを引き起こす可能性があるので、注意が必要です。

舌にぶつぶつができたときの対処法とは

症状別対処法

口内炎には「自然治癒・炭酸レーザー治療・軟膏」

口内炎は基本的には自然治癒しますが、早めに治したいという人や、痛みが気になるという人は、炭酸レーザーを使った治療を行います。炭酸ガスレーザーはとても即効性があり、治療を行った瞬間から症状が改善されます。

その他にも、ケナログ軟膏という市販薬を使った対処法などがあります。ケナログ軟膏は、口内炎に直接塗る軟膏で、炭酸ガスレーザーのような即効性はありませんが、比較的早めに治ります。

有郭乳頭の炎症は「口腔内を清潔に保つ」

有郭乳頭の炎症には、特に治療方法などはありません。もっとも効果的なのは、口腔内を生活に保つことと生活習慣を整えることです。しかし、病変している場合は、悪性腫瘍の可能性もあるので、痛みがある場合は速やかに医療機関で適切な治療を受けるようにしましょう。

舌扁桃の腫れは「抗生物質・外科的手術」

舌扁桃は抗生物質を服用して治療を行います。1～2週間程度服用すると症状が徐々に改善されます。しかし、5歳未満の小児の場合は、外科的な手術が必要になることもあります。

溶連菌感染症には「抗生物質での治療」

溶連菌感染症も抗生物質を使った治療を行いますが、溶連菌が完全に除菌できていないと、再発してしまう可能性があるので、医師に処方された抗生物質をしっかりと服用することが大切です。また、溶連菌感染症は合併症が現れる可能性があるので、治療を行いながら尿検査を受けて、合併症が現れていないかをチェックする必要があります。