食べ物を噛むだけじゃない!噛む以外の歯の大切な役割とは?

2017.06.28 health渡辺蘭

歯と味覚の関係性

舌

ちょっと意外かもしれませんが、歯と味覚の関係性についてお伝えしましょう。五感の一つ、味覚は、舌だけで感じ取っていると思いがちですが、人間は舌以外にも歯の感覚も合わせて感じ取っています。

確かに、甘い、苦い、辛いといった「味」そのものは舌でしか判断できませんが、「美味しい」や「まずい」という感覚は、歯ごたえなど総合して判断されます。歯はお口の中で“敏感なセンサー”のような役割を果たし、歯ざわりや歯ごたえなどを感じ取っているのです。たとえば、うどんにコシがあるとわかるのは、歯が敏感なセンサーの役割を果たしているからなんです。

では、歯のセンサーが機能しなかった場合は、一体どうなってしまうのでしょうか? 当然ながら味覚は味だけになってしまうので、味はするものの食べ物のやわらかさや歯ごたえといった食感を感じ取ることができず、食べていても美味しさを増幅させることができません。

歯と滑舌の関係性

談笑する女性

歯は会話するときの滑舌や発音にも深い関係があります。発音は、歯と舌が正しい位置に当たって明瞭になります。歯並びが悪く八重歯などがある場合、発音時に空気が正しくない位置から抜けてしまい、聞き取りにくい発音になってしまうのです。

また、滑舌が悪い状態を長く続けることで、発音の仕方に癖がついてしまい、歯並びをキレイに治したとしても、滑舌を改善に時間がかかってしまったという人も多いようです。たとえば、歯を失うと“サ行”が言いにくくなります。実際に発音してみると、上顎の前歯の裏側に吐いた息を当てて発音をしているのがわかるでしょう。

歯が揃っていて、なおかつ正しい位置にあることで、私たち人間はしっかりと発音ができているのです。

歯とスポーツの関係性

ランニング

集中力

歯が正しい位置で噛み合っていないと、集中力が低下すると言われています。その原因は、呼吸法にあります。歯並びが整っている場合は、口を完全に閉じることができるので基本的には鼻呼吸です。しかし、歯並びが乱れていて、口が少し開いた状態になってしまうことで、口呼吸になってしまいます。

口呼吸は鼻呼吸をしているときよりも脳が活発に働いている状態なので、鼻呼吸時よりも呼吸に脳を使わなければならない分、脳のパフォーマンスが下がり、集中力が低下してしまうというわけです。

パワーアップ

重いものを持ち上げるときは、自然に歯を食いしばりますよね。歯をグッと食いしばることで瞬間的に筋力を高めることができます。しかし、食いしばりで筋力を高めるためには、歯並びが整っていることが条件です。

歯並びが整っていない状態で、力を入れて食いしばってしまうと、顎のバランスが悪くなり、全身のバランスも崩れてしまいます。

瞬間的に筋力を高めなければならないアスリートの人々は、歯をとても大切にしています。実際にプロのスポーツ選手には、歯がキレイな人が多く、食いしばる瞬間にしっかりと歯が噛み合っているので、グッと力を入れることができるそうです。スポーツ用のマウスピースが使用されているのも、噛み合わせとパフォーマンスの向上が関係している証拠ですよね。

噛み合わせを治すためには、歯列矯正が必要です。歯列矯正にはさまざまな種類がありますが、その人の歯並びに合わせた矯正が可能で、極力目立たないようにすることもできます。

歯には噛む以外にもさまざまな役割があります

このように歯は噛むだけではなく、さまざまな役割を持っているので、とても大切です。虫歯や歯周病などで歯を失ってしまったら、義歯や入れ歯を装着すれば、噛むという役割自体はなんの問題もなくできますが、どんなに優れた補綴物(ほてつぶつ)でも天然の歯に勝るものはありません。

みなさんは、天然の歯をなるべく失わないように日頃のケアをしっかりとするようにしていきましょう。

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