親の歯並びが子供に遺伝する確率は約3割!? 歯並びが悪くなる原因と影響とは……
遺伝以外で子供の歯並びが悪くなる4つの原因
1.乳歯の虫歯
永久歯が生えそろった時点で、歯並びが悪いことが明らかな場合には、乳歯の虫歯が原因になっている可能性があります。どうせじきに生え変わるからといって、乳歯の虫歯を放置するとすぐに悪化してしまいます。これは乳歯が永久歯より歯質が弱いから。そして、重度にまで進み歯茎に膿が溜まった状態になると、永久歯が膿を避けるように生えてくるので、歯並びが悪くなることがあるのです。
2.指しゃぶり
子供の指しゃぶりは1~3歳くらいまで続くことがありますが、それ以上の年齢でも指しゃぶりのクセが抜けない場合はできるだけ早くやめさせなければなりません。特に、上下の歯で挟むように指しゃぶりをする子供の場合は、上の前歯が前へ出て、下の前歯が奥へと入ってしまうような歯並びになりやすいです。そして、奥歯はしっかりと噛み合っているのに、前歯だけが噛み合わない「開咬(かいこう)」と呼ばれる不正咬合になる可能性があります。
3.舌のクセ
上下の歯の間に舌を挟み込んだり、食べ物を飲み込む際に舌で前歯を押しだすクセがある子供の場合も、歯並びが悪くなる傾向にあります。このケースでは、上下の前歯を同時に、もしくは下の前歯を舌で押し出していることが多いです。この場合は、「受け口」や口元が前方に突出した「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」になりやすいので、できるだけ早く舌のクセを治す必要があります。
4.口呼吸
本来、口を閉じている状態だと舌は上顎に吸い付いている状態が正しい位置です。この位置にあれば舌の筋肉の力で上顎が押し広げられるので、歯の入るスペースを生み出してくれます。
しかし、口呼吸をする子供の場合は、下顎に舌をつけている時間が長いため舌で上顎を広げることができません。そのため上顎に歯が生えるスペースが不十分になりやすく「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」といういわゆる出っ歯になりやすいのです。
乱れた歯並びが起こす3つの悪影響
1.虫歯・歯周病になる可能性が高い
歯並びが乱れると、食べかすが歯の間に挟まりやすくなるうえに、歯が磨きにくくなります。そのため虫歯や歯周病になりやすい傾向にあります。
特に、歯並びがひどく不揃いな「乱杭歯(らんぐいば)」や犬歯が飛び出た状態である「八重歯」の場合は、歯が重なる部分が多くなるので虫歯や歯周病のリスクはさらに高くなります。
2.顎関節症になりやすい
顎関節症になる原因のなかで、もっとも多いのは歯並びの乱れと言われています。歯列が乱れて噛み合わせが悪い状態が長期間続くことで、咀嚼(そしゃく)する際に上顎と下顎の位置がずれてしまい、顎に大きな負担をかけてしまうためです。
顎関節症になると、顎が痛む、カクカクと音が鳴る、口を大きく開けることができない、口を完全に閉じることができないなどの症状が出てきます。また、噛み合わせがズレているせいで、いつも片側だけで噛むクセがあると、一部だけに負担がかかってしまい顎関節症になりやすくなります。
3.コンプレックスになりやすい
歯並びの悪さにコンプレックスを感じている人は多く、話をする相手にいつも口元を見られているような気がしてしまい、会話を避けるようになったという人も少なくありません。
また、笑ったときに歯並びの乱れが相手に気付かれることを気にして、口を大きく開けることを避けるなど、コンプレックスを抱えてしまう人もいます。
大人になってから後悔させないために早めに治療を受けさせましょう
子供の頃はそれほど悪影響を及ぼしていなくても、大人になるにつれて徐々に虫歯や歯周病、顎関節症などのトラブルが発生するリスクが高くなります。また、外見を気にするくらいの年齢になると歯並びが悪いことがコンプレックスになってしまう人も多いので、早めに歯並びを治す必要があります。
歯列矯正は歯が動かしやすい子供の頃に歯列矯正を受けるほうが効果的ですが、大人になり歯や顎の成長が終わっても、ブラケット矯正やマウスピース矯正などで歯並びを整えることができます。気になる方はお近くの歯科医院で一度相談してみましょう。